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読書の記録です。

「新・垂里冴子のお見合いと推理」

山口雅也/講談社

小説家を志し、毎日、原稿ばかり書いている冴子だが、周囲からは次々とお見合い話が舞い込む。それでも、やっぱり、お見合いするたびに事件に巻き込まれ、お相手そっちのけで謎を解くはめに!

とうとう、冴子姉さんの境遇が他人事ではない年齢になってしまいました。 叔母さん、私にもヴェリースペシャルロイヤルグッドな縁談を、ひとつよろしくお願いします・・・(真面目に)。
いつもと毛色が違い、今回の縁談は、お見合いの鉄人が持ってきた縁談ではなく、垂里家の父と娘の紹介。まず、最初の縁談はフロム父。お相手は、優秀な研究員で水族館勤務の青年。ペンギン担当。ペンギンのことになると熱くなりすぎるという難あり。毎度のことながら、事件が起こってお見合いとかうやむやになってしまうのですが、今回は冴子姉さんが一味違うのよ!縁談破滅の運命に立ち向かう決意を固める姉さん。まあ、要するに、積極的に事件解決に動き出すという・・・。駄目じゃん!笑。ネックレスを飲み込んだペンギンが、腹を裂かれて殺害される場面はまさに猟奇的!ショック!しかし、あんまり謎解きにインパクトが無くて残念・・・。ペンギン無念・・・。
お次は次女・空美より。友人・笑窪ちゃんの元彼・東京茶夢(アメリカ人)。なんか読んだことあるなあと思っていたら、「日本殺人事件」の日本オタクの彼ですか!あんまり覚えてないんだけど、最後ねえ、女の人ともやっとした別れ方してたよねえ。あれが笑窪ちゃんかあ・・・。とそっちばっかり気になるったら。「日本殺人事件」はいつか再挑戦したい本のひとつでして、あの日本の文化をからめたミステリーは高度すぎて私、全くついていけなかったという苦い思い出があるのです・・・。今回は、ダイイングメッセージの解決にからめて、漢字のへんとつくりについての日本豆知識。ダイイングメッセージってご都合主義だなあとか、顔がねー、ばれないっていうのはねー、ありえないよねーとか茶々を入れながら読んでました。すんません。むしろ、こんなけしからん刑事の方を不審に思わねばならないのに、さほど不自然に感じないあたり、昨今の警察のだらしなさを再認識するわけです!と真面目にまとめてみました。
結局、2話とも登場人物たちの個性の濃さが際立ちすぎ、事件そのものはさらっと流されてしまったところが残念でした。意外に空美の身勝手さは可愛げがあって、結構好きです。
シリーズ3作目にして、とうとう冴子さんの縁談もまとまるかなあと思ったのですが・・・。小説が書きあがるのが先か、縁談がまとまるのが先か・・・?私が先か、冴子姉さんが先か・・・?


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