「本を読むわたし」
「ずっと本と一緒だった。アメリカでも、日本に来ても、一人のときも、いろんな人に出会ったときも。」4歳から14歳までに出会った本を手がかりに、その時々の自分を振り返って描写していくセルフ・ポートレート。
下手なコラムより読みやすい。文章の端々から、本を大切にしていることが感じられます。そこがとても好感が持てる。いやー、私は良く読んだ本を忘れるので、見習わないと、と思います。
14、5歳の頃の自分を振り返ってみると、作文や読書感想文など、文書を書くときにヘンに格好つけてみたり、難しいことを書いてみたりして、結局「何が言いたいの?」という出来上がりだったものです。ところが彼女は、気取ることなく、淡々とした筆致で思い出を振り返っています。そこがすごい。しかも、こんな小さな頃の思い出を、良く思い出せるなー。私は、幼稚園以前は全くと言って良いほど記憶がありません。うらやましい・・・。
読んだ後は、華恵ちゃんファンになりました。まだまだ若いので、色々なことにチャレンジしていかれることと思いますが、できれば、また彼女の書いた本を読んでみたい。
この本からは、彼女をつつむ、本と周りの人たちへの感謝と愛情が滲み出ています。ページをめくる度に、優しい気持ちになれます。
「手を抜かない味だね。」
お祖父ちゃんの話がとても良かった。私は、お祖父ちゃんとはあまり良い思い出が無いので、余計そう感じたのかもしれない。
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