「片眼の猿」
俺は私立探偵。ちょっとした特技のため、この業界では有名人だ。今はある産業スパイについての仕事をしている。地味だが報酬が破格なのだ。楽勝な仕事だったはずが、気付けば俺は、とんでもない現場を「目撃」してしまっていた。
携帯サイトで連載していたものをまとめたものだそうです。そのせいか、章立てが細かくて、36章くらいまであったんじゃないだろうか。短くてもちゃんと動きがあって、1話1話飽きないように書かれているのは、すごいなあと思いました。ですが、パソコンだろうが携帯だろうが、液晶画面で小説を読むなんてまどろっこしいわー!という私は、何だかんだ褒めても、本でまとめて読むのが一番好きだったりします・・・。
今回は、特殊能力か!?と思ったのですが、最後の最後に違うオチがつきました。冬絵のことといい、残念ながら、今作のどんでん返しは無いほうがいいな・・・というものが多かったと思います。ほとんどの人が、なんの疑いもなく三梨と冬絵の間には恋愛感情があったって思ってますよ。だって、そういうふうに書いてるもん。それを実は違うだなんて!読者心をもてあそんだのねー!・・・まあ、時には読者心はもてあそぶものかもしれませんが・・・。アパートの住人にまでどんでん返しが及んだのには、びっくりしたし、それは少し残酷ではないかなあと思った。ちょっと良い子の皮を被って言わせていただくと、身体の障害を小道具の一つとして多用するのはいかがなものかと。
思い返せば、そんなどんでん返しばかりが思い出されて、本筋の事件はどうやって解決されたのか思いだせないぜ・・・。
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