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読書の記録です。

「play」

山口雅也/朝日新聞社

隠れ鬼、ぬいぐるみ、ボードゲーム・・・。小さい頃夢中になった“遊び”をテーマに繰り広げられる、ブラックなミステリー短編集。

全体的に、トリックの想像、あるいはオチの予想がつけやすかった。しかし、人間のダークサイドを表現するのが上手です。
気に入ったのは“蛇と梯子”。テイストは違いますが、映画“ジュマンジ”に似て、はらはらしました。ただ、こちらはハッピーエンドといかないのが、山口さんの味付け。
今回、ループの作品が2つ出てきますが、どちらもループへの持っていきかたがうまい。ところで、裏テーマは引きこもりやオタクなのかと思うほどの出現率ですね。冒頭の引用文に「遊びは、人間にとって、癒しであると同時に、病でもある。」とあるように、登場人物たちは遊びに囚われてしまったのでしょうか。何事もほどほどに。


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