「wonderful story」
昔話でおなじみの犬もいれば、地名の由来になった犬もいる。はたまた、悪者が連れてきた犬もいるし、人のために働く盲導犬や、やたらと見つめてくる犬も・・・。犬にちなんだペンネームに改名(!?)した人気作家5人による犬をテーマにした5つの物語。
犬も好き!本も好き!・・・なら読むしかないでしょ!
遊び心いっぱいの試みで、こういう企画っていいなあと思います。
「イヌゲンソーゴ」(伊坂幸犬郎)伊坂さん、さすがの直球です。何せ犬が主人公。ムサシとポチの大冒険。犬にまつわる昔話や童話ってたくさんあります。犬は人間のトモダチだもの。最後の颯爽とした黒ラブがカッコ良すぎる。黒ラブってシュッとしてるよねー。
「海に吠える」(犬崎梢)うーん。これは・・・。さわやかなお話だったんですが、私が思っているのとは違うドッグフレーバーでした。似たような話(湊かなえさんの作品)を思い出したせいか、新鮮味もなかったな。
「バター好きのヘミングウェイ」(木下半犬)バターといえば・・・犬!って何年前の下ネタだよ!そういう話と思わせて、実は再起の話だったのです。まあ、そのままバター犬の話になっても困ったちゃんだったので、良い落としどころだったと思います。シェパードは好きだけど、この犬につなげる無理やり感が好きになれない・・・。
「パピーウォーカー」(横関犬)盲導犬の話としても、ミステリーとしても成立していて、おもしろかったです。去年あったお仕事中の盲導犬を傷つけるという、ひどい事件を思い出しました。彼も家庭の事情があったとはいえ、ひどいことをしたものです。主役のコンビがいい感じ。
「犬は見ている」(貫井ドッグ郎)振り返れば犬がいる・・・という言葉の響きだけなら、のどかな感じがしますが、実は犬に監視されているとしたら・・・?友人の恋人との破局話から一転、陰謀めいた話につながり、意外にもこれはサスペンス!というおもしろさでした。オカルト好きでも、カッコ良かったらもてると思うけどなー。
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