「黒猫の接吻あるいは最終講義」
黒猫と付き人がバレエ『ジゼル』を鑑賞中、ダンサーが倒れるハプニングが発生した。五年前にも同じ舞台、同じ演目で、バレリーナが死亡する悲劇が起きていた。ガラスアーティストの塔馬から聞いた黒猫の過去と、二つの事件の関連を気にする付き人。しかし何やら隠し事をしているらしい黒猫は、関わらないよう忠告するだけだった。仕方なく付き人は一人で事件に挑むが…。
2作目は長編。私は短編の方が良かったです。長編にしても、物語に深みがあるわけでもなかったし。それなら、短編でさらっと流した方が読みやすいです。うんちくを語れば、物語に深みが出るってもんじゃないと思います。やはり、登場人物の心情を描いてこその物語です。どこに重きを置いているかにもよりますが、私が読む限り、ミステリーより黒猫と付き人の関係を描きたいのかな?という印象を受けたもので・・・。黒猫はこんなにいい雰囲気なのに、甘い言葉の一つも言えないなんて、薄気味悪いです。これが最近の草食系男子というものでしょうか?普段は、友達以上・恋人未満の関係はやきもきするけど、読んでいて楽しいので好きなんですけど・・・。なんか、この本では、駆け引きにおける黒猫のズルさが際立っていて、いい気分ではなかったな。
今回は、バレエの「ジゼル」を主題にポオの詩篇なんかも絡めつつ・・・という感じ?正直、黒猫の解説を読んでいるときは、分かったような分からんような、もうどうでもいいやって心境でした。笑。芸術家の考えることは良くわからなんなりー。
今回、付き人は良くがんばった!最後にプレゼントももらえたし、良かったじゃない!・・・私だったら、そんなガラスの置きものよりも、一言が欲しいですけどね・・・。
3作目が短編だったら読もうかなー。長編だったら、読むのは来年にしようかなあ・・・。
「誰もいない公園に胸を弾ませて行くなんて馬鹿みたい。」
「でもいいのだ。」
「会いに行く。」
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