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読書の記録です。

「チョコレートコスモス」

恩田陸/毎日新聞社

舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。どこまで行けばいいのか? どこまで行けるのか? 2人の少女が繰り広げる華麗で激しいバトルを描く、熱狂と陶酔の演劇ロマン。

“ガラスの仮面”に非常に良く似たシチュエーション。“ガラスの仮面”・・・。そう、あの「おそろしい子・・・!」「僕と君の間は赤信号・・・」という名台詞や、海辺のデートで「ほらっ、お弁当持っていっちゃうぞ!」と追いかけっこをしたり、青春スター里美君の形状記憶スカーフが記憶に新しい、あの名作です!
さて、本編。恩田作品でも良く目にする演劇パートをまるまる1冊してしまいました、という感じ。小説で、よくぞここまで演技や舞台の迫力を表現したものだと驚きました。拍手を送りたい。
課題に対してのそれぞれの回答がおもしろい。演劇をする人ってそこがすごいなあと思うのです。自己表現っていうか、独創性というか。あと、頭の回転が早くないといけないんですねー。大変・・・。
巽くんの書き溜めてる台本の続きが気になります。国語のテストでは、問題文の続きが気になる子なので。続編は、ぜひ巽くんの台本を!
しかし、頭の片隅ではいつも冷静に「ああ、ガラスの仮面には遠く及ばないなあ・・・」と思っているのです。まあ、これは自分の中の意識の問題なのですが、完全にのめり込めなかったのが残念でした。
読後に演劇を観に行きたいと思わせてくれる一冊。


「今、彼女は、役者というしなやかな獣なのだ。」
きゃー!響子さんかっこいー。
そういえば、“ガラスの仮面”でも、マヤより亜弓さん派でした。


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