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読書の記録です。

「丑三つ時から夜明けまで」

大倉崇裕/光文社

闇金融の経営者が地下5メートルの書斎で殺害された。現場は「密室」、となると…。「やはり、犯人は幽霊以外にはありえません」!?奇抜な設定を巧みに生かした短編集。

神(あるいは宗教)を信じないと言ってる私ですが、霊の存在は微妙に信じています。そんな頻繁ではないので(笑)霊感は弱いんですが・・・。霊も視えるわけではなく、すっごく嫌な感じの場所があったり、金縛りにあったり(下宿中)程度。でも、その感覚がすごく怖い・・・。主人公みたく、人魂が視えるレベルだと気が狂ってしまうと思う。かわいそう・・・と彼に深く同情しておりました。
人物紹介から「少女」「袴姿」など「警察?」って感じの説明文だったのですが、本文を読んで納得。特殊能力を持った人たちが集まるセクションなのですねー。幽霊の存在(エネルギー体)が科学的に立証されたという世界観。不可能犯罪の犯人は幽霊。その犯罪が人間には犯せないと判断して、はじめて幽霊の犯行を疑うので、不可能じゃない状況で殺しちゃえば幽霊は疑われないで済むのでは・・・?と思ったり。エネルギー体はそこまで考えてないか。
推理小説としては破綻してしまいそうな設定ですが(壁抜けOK。移動に時間がかからない。等)、そこからさらに不可能な状況を作り出し解決まで持っていく、というなかなか凝った展開です。話の展開は同じパターンなのですが、後半はだんだんエンディングが寂しい感じに・・・。


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