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読書の記録です。

「さよなら、いもうと」

新井輝/富士見書房

トコが死んだのは三日前のことだった。由緒正しい魔法の日記に書かれていた「お兄ちゃんと結婚したい」という言葉のせいなのか、妹は生き返り、また俺と暮らすことになった。どこにでもいる普通の兄妹の、普通ではない数日間の物語。

私の大好きな、きゆづきさとこさんが挿絵を描かれているのです。メガネー!
きゆづきさんの漫画はオススメです。かわいい4コマに目がない方はぜひ!
宣伝終了。
妹モエーな話だということは、承知の上なので、その点に関しては色々思うところあったのですが、苦言は差し控えたいと思います。この広い世の中に、近親相姦設定が好きな人が確かに存在するんだよね・・・。アンビリーバボー・・・。
とは言っても、この話に関しては一線を越えることは無いので、ご安心頂きたい。この本の良さというのは、「妹は妹以外の何物でもない」と結論付けたところだと思います。そう、妹は性欲の対象でもなく、将来嫁になる可能性など1gもなく、切っても切れない血縁者なわけです。私も兄、妹なのですが、兄どころか父のお嫁さんにすらなりたいと思ったことはないし、私にとって兄は大事な家族でそれ以上でもそれ以下でもないのです。しかし、これ、もし私がミノリの立場だったとしたら「もし彼の妹と何かあった時に、この人は私の味方になってくれないだろう」と失望を感じるだろうな。笑。だからヒロシくん、これから先、死んだら終わりなんて思っていても言ってはいかんよ。
後半からは水着選びから始まってプールイベントと、ほとんどヒロシの日常で、これならトコとのデートをもっと詳しく書いた方がよろしいんじゃござんせんか。と思いました。いやー、トコちゃんはかわいいっすよ。妹のいない男性諸君は、これはあくまで創作物であるということをお忘れなきよう!妄想は自由ですが、幻想は自分を傷つけるだけですよ。
全体的にいい話、の中にイラッとくる奴がいまして。その名も、テツマル。あー、もー、お前の話はもういいよー!と本を閉じたくなること数回でした。
あと、あとがきが良かったです(焼肉じゃない方)。久しぶりにいいあとがきを読みました。私も、もうすぐ25歳になるのですが、未だにライトノベルを手放せません。他のジャンルを読むようになって、いつか、大人になった私はライトノベルに興味が無くなるのだろうなあ、と漠然と思っていたのですが、興味が無くなるどころか逆に興味津々で、読みたいライトノベルは増える一方です。
本屋でライトノベルの棚の前をうろつくたびに、「自分は大人になり損ねた」「子供みたいで情けない」「恥ずかしい」という思いが渦巻きます。しかし、これが実は「不思議を手放すことに納得できていない」ということとも捉えられることに目からウロコでした。そう考えると、少しふっきれるかも。


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