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読書の記録です。

「ゆくとしくるとし」

大沼紀子/マガジンハウス

年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、オカマがいた。予想を覆す我が家の風景に違和感を覚えながらも、閉じこもりがちな感情が少しずつ開いていく。

オカマがいたらびっくりするわな。笑。
しかも、きれいじゃない方のオカマ(失礼)。きれいな方はニューハーフと呼ぶのか?んんん?まあ、女装タイプの彼女なのですが、豪快ではっきりしていて、私はミカさん好きだなあ。お母さんもいい感じなんです。ぬはは。
トリコの特に理由もない無気力感が、妙にわかるような気がするんですよねえ。ふと立ち止まった時に、このまま進まなければ楽だろうなあ、とぼんやり考える時に似ているような気がする。でも、進まなければ楽なかわりに何もありませんから。それはつまらないなー、と思い直しての繰り返しです。トリコの立ちあがりものんびりしているけれど、これくらいスローペースな方が丁度良いのかもしれませんな。
もう1編「僕らのパレード」という作品が収録されています。こちらの方が受けが良さそうな感じ。ハードな展開なのに、ほんわかムードを通した作風がすごい。
のんびりゆったりしながらも、確実に登場人物たちは何かを私に語りかけ、そして変化してゆきます。マイペースなムードと世界観、恐るべし・・・。
なんだか表紙が不評なようですが、私はかわいくて良いと思います。干支がちりばめられたりしてて。


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