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読書の記録です。

「笑酔亭梅寿謎解噺2 ハナシにならん!」

田中啓文/集英社

竜二は若手噺家のグランプリを決める「O-1」の決勝に出場することになる。東京の落語、テレビで活躍する噺家、客のエネルギーを「トリ」に集中させるための「モタレ」など、更にバラエティ豊かに進化する本格落語ミステリー短編集。

前作が気に入ったので、いそいそ続きを借りてきましたー。
竜二の世界も広がって、テレビ出演、ラジオ番組とまるでどこぞのタレントのようです。正直、このあたりの展開は、読んでいて気持ちの良いものではなかった。私、あれもこれも、いうのはあんまり好かんのです。だから、竜二なにやってるんじゃーって、やきもきしていたのですが、最後に落ち着くところがやはり落語で良かった。どの話も、いい終わり方をしていて、そこがいい。うん。
まあ、彼の気持ちもわからんでもないのです。迷いがある時は、隣りの芝生が青く見えるというか。優れているように見えるもんです。
ミステリーの面よりも、落語とか芸の世界と、そこに生きる人たちの姿が強調されているように感じた今作。関西と関東の違いなんか、おもしろかったなあ。
相変わらず、師匠の暴走っぷりが最高です。何度笑わされたことか・・・!たぶん続きが出るだろう展開だと思うので、また新作が出るのを楽しみにしたいと思います~。
他の落語の本も読んでみたいし、落語のCDも聞きたいなあ・・・。うーん、寄席を見に行きなさいって言われそうだ。


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