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読書の記録です。

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「ナイチンゲールの沈黙」

海堂尊/宝島社

ガンで眼球を摘出する子供たちの運命に心痛めた看護師の小夜は、子供のメンタルサポートを“愚痴外来”田口に依頼する。その渦中、患児の父親が殺された。厚生労働省の変人役人・白鳥も加わり、事件は思わぬ方向へ。

今度は、看護士さんが主役ということで。すごく不満がたまりました。田口さん目線の物語がまた読めると思っていたもので。少ない~。マコリンの出番も少ない~。
気を取り直して。前作では、医療の現場で起きた何かすごく専門的な分野のミステリーという感じでした。我ながら、頭の悪い要約だ・・・。ところが今作では、そういう医療現場の緊迫した雰囲気、というよりは、メンタルな部分に関係する仕事がクローズアップされていたのかな?という印象を受けました。謎解きも、前作は医療分野ならではのロジックがあったりして、そこら辺が一味ちがうなーと感心していたのですが、今回は、それに比べるとロマンチックになったなーと残念でした。もう、色々な人がネット上で書かれている通り、歌がね・・・。歌で、鮮明な映像を映し出すことができるって、相当ムチャな設定ですよね・・・。これが謎解きにまで絡んでくるところがやっかい。
あと、作中に良く出てくるコードネーム?通り名?みたいなものが、カユイ。盛り上がれない。これがラノベなら、ひねった通り名はかっこいいんですけどー。
それにしても、看護士と患者のアレはありなんでしょうか・・・?ドラマやマンガでは医者と患者も良く聞きますけどねー。医療従事者としてそれはどうかと思うなあ。と、ドン引きしてしまいました。
結構批判的になってしまいましたが、全体的に読みやすかったです。桜宮病院サイドの話も読みたいですし。田口センセの出番が多ければ尚良いのになあ。今回に限って言えば、むしろミステリーという枠をとっぱらった作品の方が、もっと登場人物たち(特に小児科病棟の患者たち)の深いところまで描き出せたのかもしれないですね。ミステリー要素も、ドラマ要素も薄かったような気がします。


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