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読書の記録です。

「クリスマスにさようなら」

浅暮三文/徳間書店

ミステリー、恋愛、音楽、冒険ファンタジー。四つの要素が奏でる、あなたへの素敵なプレゼント。四匹のテディベアをめぐる、心優しきクリスマス・ストーリー。

なるほど、そうジャンルわけできるな!と後で気がついた。
浅暮さんといえば、シュールな作品というイメージだったのですが、この本の短編はどれもスタンダード。・・・なだけでなく、どれもめっちゃええ話なんですよ~。目次のくまさんマークのコンテンツが、かろうじて「浅暮さんだな~」と感じるポイントでした。かわいい~。
本の題名からも推察できるように、テディベアと主人の別れを描いています。ゴミ捨て場から始まるシーンを読んで、どうしよう、すごく残酷なんじゃないの・・・?と読むのをためらいました。しかし、「いらねーや、捨てちゃえ」ぽいっ、と捨てられたわけではなく、それぞれのドラマ、そしてのっぴきならない事情が明らかにされてゆきます。安心しました。むしろ、彼らはうちのぬいぐるみ達よりも大事にされ、主人の心の支えとなって、人生の大事な部分に関わっているのです。私、今まで覚えている限り、ぬいぐるみに相談したことは無い!笑。そんな私からすれば、tものすごい愛着です。特に、マルチェロのシフォンのかわいがりようがとても良い。それだけに、別れは切ない・・・。
まあ、最後に水をさすようで何なんですが、リンダだけはブレックを連れていけたのでは・・・?と思ったり。まあ、ぬいぐるみのことを忘れるくらい、切羽詰ってたんでしょうね~。


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