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読書の記録です。

「DクラッカーズⅢ」

あざの耕平/富士見書房

クリスマス・イヴの夜、セルネットと悪魔狩りのウィザードたる物部景は全面対決を果たした。それを切っ掛けに浮上した事実の数々。混迷する世界から景は消え去り、代って無慈悲な女王が姿を現す。

あとがきにもあるように、それぞれの決意を描いた第3巻。
景がクラッシュした後、女王は景に乗り移り、セルネットで執行細胞と行動を共にする。一方、梓は景を失い、自分の罪と向き合うことになる。
・・・と、前から「梓の罪」と名付けられている、一連の景いじめと置き去り事件ですが、私にはどうもしっくりこないのです。なんつーか、これを罪と呼ぶことなのかどうか・・・。別に、良くあることじゃん、とは思います。子供の世界で裏切り、寝返りなんてさ。笑。まあ、それで本人の気が済むならいいのかな。
一方、セルネットの上層部・執行細胞のメンバーが動き始めます。彼らの目的は、王国を建国すること。ん?動くと言っても、ベルゼゼブはいないし、バジリスクはまた空席になったし、実質動いているのはベリアルとバールだけ。しかし、2巻分彼らが息をひそめていた効果か、すごく動き始めた感があります。どのような意図を持って、カプセルを広めたのか。彼らが作りたい「王国」とはどのような状態を指すのか。「女王」と呼ばれる悪魔がそれにどのように関わってくるのか・・・。まだまだ謎は残っています。しかし、葛根市を出ることは無く、相も変わらず箱庭の中の出来事。小さいぜ。
まるまる1巻分、女王に体を乗っ取られていた主人公も復活し、4巻では景たちの巻き返しとなりそうです。そういえば、結局、景の目的もまだわからないやー。女子中学生トリオは、正直いらないような気もしますが、久美子が「もう明らかっしょ」と言う場面は好きです。そうだ、もっと言ってやれ!はっぱをかけてやれ!


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