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読書の記録です。

「パラケルススの娘 1」

五代ゆう/メディアファクトリー

古来から魔物退治を生業にする跡部家の遼太郎は、現当主である祖母に英国行きを命じられ、ひとり旅立つ。だが、ロンドンに着いた遼太郎を待っていたのは、メイド服を着た銀髪の美しい少女と、黄金の巻き毛をした男装の麗人、そして次々に巻き起こる怪事件だった!

五代ゆうさんは、好きな作家さんなのですが、富士見書房以外の出版社から出ているものは読んだことがなかったなあ。このシリーズを知ったのも、ここ半年くらいの間でした。情報網の狭さが垣間見えますねえ・・・。
主役はレギーネだとばかり思っていました。カバーであのポジションにいたら、ねえ?本当の主役は男装の麗人・クリスティーナ、・・・ではなく、日本男児・跡部遼太郎。・・・たぶん。日本男児の留学というキーワードは、どことなく“Gosick”を連想するなあ。現地に残してきた兄弟がいるという点も。遼太郎も、大きなコンプレックスを抱えている。それは、代々霊力を持つ跡部家の人間であるにも関わらず、一向に霊力が宿らないこと。祖母は、そんな彼にロンドン留学を命じられるが、それは、実質跡部家からの「追放」であると遼太郎は考えている。クリスティーナもばっさりと「君は捨てられた」的発言をしちゃって、遼太郎の最初の思考はかなりネガ。けれど、シシィを助ける行動力は、さすがの日本男児です。私は、日本人のこのまじめで律儀な性質がとても好きなのです。
クリスティーナ&レギーネのコンビは、まだまだ謎が多そうです。特にレギーネの生い立ち(成り立ち?)に関連がありそうだなあ。シヴィルの正体がわりとあっさり明かされたことに驚いた。この先どのような展開が待っているのやら。
しかし、これまで読んできた五代作品に比べると、大分パンチ不足です。あの、重厚で圧倒される世界観に浸りたい~。


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