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読書の記録です。

「死写室」

霞流一/新潮社

映画館、試写室、ロケ先&セットの撮影現場・・・で発生する、奇怪な事件の数々。密室、透明人間、斬首魔、建物消失などVFX級の謎に酩探偵・紅門福助が挑む!

短編集!霞さんの短編集を読むのは初めてだ~。
すでに、他ブログの感想で「普通」という文字を良く見かけていまして、「そんなもんか~」と思いながら読んだ次第。本当に、普通でした。(いい意味で!)
短編の構成は、あとがきでも触れられているとおり、映画が世に出るステップの順序になぞらえられています。企画、製作、プレス・・・というように。こういう細かいこだわりは好きです。本当にたくさんの人の血と涙の上に、映画は成り立っているんだなあと感慨深い感想を抱いたほどです。
ピックアップしますと・・・。「届けられた棺」。リメイク映画で名作にはお目にかかれない、という意見に賛成!「霧の巨塔」。頭の中で一生懸命シュミレーションしてみた結果、これは・・・「あると思います!」。「モンタージュ」。これはバカミスっぽいなあ。なんじゃ、そら!と。よっぽど目が悪かったら、鏡に映ったように見えるのかなあ。「ライオン奉行の正月興行」。バカミスが垣間見られた作品。着ぐるみの中とは・・・。それにしても、トイレで見つかる他殺体が出てくると、「この殺され方だけは絶対にいやだ・・・。」と強く思います。
確かにパンチには欠けますが、全体の構成とニヒルな紅門福助(40過ぎ、独身)のおかげで、楽しめました。


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