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読書の記録です。

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「ジーン・ワルツ」

海堂尊/新潮社

東城大学医学部を卒業、帝華大学に入局した美貌の産婦人科医、曾根崎理恵。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとを、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩医師の清川は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追う。

医療というものは、倫理と常に隣り合わせだなあと思います。臓器移植や尊厳死、そして不妊治療、代理母出産。生と死にもっとも近い場所で、やり取りされる言葉の重さ。
私は幸運にも、今のところ健康で何不自由なく生活しています。そして、時々、心の片隅で少し残酷なことを思うこともあります。今にも無神経なことを言ってしまいそうで怖い。そんなデリケートなものをはらんでいると思います。海堂さんは、現役医師として、フィクションの世界を通して、現実の医療の問題、あるべき姿を提唱されてきました。意外にメディアへの露出が多いなー、とびっくりしました。サービス精神が旺盛なのか、結構出たがりなのか・・・。笑。今回、クローズアップされたのは、産婦人科医療。
と、医療問題については、私が書いてもさっぱりなので省略(笑)。
きれいなお姉さんスキーの私としては、美人女医が主人公っていうのは嬉しかった。ジゴロの清川?そんなやつは知らん!現実の女医さんにも、きれいな人が多くて、「天は二物を与えやがった・・・。」と思うことしばしば。でも、手術のくだりは、誰でもうまくいかないこともあるんだな、ってしんみりとした。子供が産めないということは、私が想像する以上に、女性が感じる最大級のコンプレックスなのだと思う。
最終的に、理恵さんの論理は完璧だったんだろうけど・・・。なんだか、お見事!とは言えない感じ。倫理的にそれ、どうなの?と。たぶん、技術がすごく進んで、ある程度のことが可能になったとしても、越えてはいけない一線があるはず。それを守ることが、人間の分をわきまえるということ。神の領域には、決して立ち入ってはならない。


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