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読書の記録です。

「我が過去を消せ暗殺者」

秋田禎信/富士見書房

クリーオウの水浴びを覗いていたマジクを、レキが保護森林ごと焼き払った罪で、オーフェン一行はレンジャーに連行される。しかし、詰め所が何者かに襲撃され、一行は《牙の塔》のあるタフレム市へ向かうことになる。

シリーズの4分の1地点に辿りつきました~。《牙の塔》前編!
オーフェンがまだキリランシェロだった頃。マジクとクリーオウは、その時の彼を知らない。《鋼の後継者》サクセサー・オブ・レザーエッジと呼ばれていた彼は、どのような人物だったのか・・・?題名通り、オーフェンの過去に迫った巻です。オーフェンシリーズの魅力の一つが、登場人物のメランコリーの描写。オーフェン自身はもちろん、師と自分を比べて劣等感に苛まれるマジク、レティシャ、アザリー・・・と、エリートで成功したと思われている人物も、孤独と自分の才能の限界、嫉妬、もろもろの醜い感情があって、葛藤しているところが登場人物をより魅力的にみせているのだと思います。で、マイナスに傾いたところを、クリーオウの破天荒さとレキのかわいさと地人のバカっぷりでバランスをとる・・・と。ほんと、彼らの身勝手な発言(笑)の数々は、うらやましいったら・・・。
過去の話ということで、《牙の塔》チャイルドマン教室のメンバーの内、レティシャとフォルテが登場します。偉大すぎる教師のもとで学んだ教え子だちは、劣等感のカタマリになっていた・・・。どんだけスーパーマンなの、アンタ!?って感じです。あと、ここらへんから、アザリーの暗躍がちらほらと描かれています。今回の人形騒ぎも、元はといえば、アザリーの暗躍が原因なわけだし・・・。ノルニルの道具って、いわゆるドラえもんの道具みたいなもんで、ものすごい力があるんだけど、使う人がアホだったら、大した益にならない、むしろ身を滅ぼすって感じがするなあ。黒魔術、白魔術に加えて、ノルニルの遺品を手に入れたアザリー姉さん。最強だなー。
過去の自分と一応の決着をつけたオーフェン。《牙の塔》後編に続く!しかし、どこまでモテモテなんだ、こやつ・・・。


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