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読書の記録です。

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「断章のグリムⅢ&Ⅳ」

甲田学人/アスキー・メディアワークス

泡禍解決の要請を受け、蒼衣たちは神狩屋がかつて暮らしていた海辺の町を訪れた。そこで、彼らは神狩屋の婚約者だった女性の妹・海部野千恵に出会う。婚約者の七回忌を明日に控え、悪夢の泡は静かに浮かび上がる。

ここから、上下巻構成になってますねー。今回のモチーフは人魚姫。
私は、人魚姫の王子が大ッキライでねえ。幼心にそんな男、刺しちまえ!って思ってましたねえ。笑。今回、神狩屋さんがめった刺しにされたのも、そんな私の呪いが届いたかのようです。違うけど。
いつも温和で冷静だけれど、どこか謎めいた神狩屋さんの過去が明らかになります。題材として取り上げるのが、予想より早くてびっくりしました。あとは、颯姫や夢見子ちゃんが残ってますよね。葬儀屋の2人の過去も気になるところです。
いやー、今回もエグかったですねえ。(褒め言葉)泡でだんだん溶けてゆく~。歯磨きしてて、口の中のもんが出てきたら、そら発狂しますわー。泡禍が、町全体に及ぶほどの規模だったということもあって、犠牲者の数もなかなかのもの。登場人物たちの壊れっぷりもなかなかのもの。いつものことながら、普通の感覚を持った蒼衣が、逆に浮いているという状況に・・・。不憫。笑。でも、誰よりも壊れているのは、やっぱり神狩屋さんなんだなあ。泡禍と元の人格を切り離して考えて、泡禍をただの現象としてとらえる・・・ようになったとはいえ、泡禍をモチーフに当てはめて考えるという作業をする上で、やはり人格を全く無視することはできないと思うのですが、これいかに。あくまでその作業(泡禍に対する共感・理解)が必要なのは蒼衣だけで神狩屋は無関係という感じかしら?
潜有者の正体にも驚きましたが、千恵ちゃんがまさかそんな・・・!という壊れっぷりもすごい。こ、こわっ・・・。海部野志弦・千恵姉妹の存在感におされて、雪乃・風乃の活躍の場が少なかったのが残念でした。
年明けてから、タンシチュー食べに行きたいねえって話をしてたんですが、この話を思い出すと、何だかもやっとした気分になったよう・・・。


「馬鹿馬鹿しいロマンチストだわ」

「可哀想な男」


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