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読書の記録です。

「ふちなしのかがみ」

辻村深月/角川書店

ひややかな恐怖が胸に迫る、現代の怪談。おまじないや占い、だれもが知っていた「花子さん」。夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。その向こう側は、決して覗いてはいけない・・・。

辻村流怪談。
「踊り場の花子」。一番怪談らしい怪談。普通、花子さんはトイレに出没するものだが、この学校では怪談の踊り場に現れるらしい。だんだんと普通じゃない空気が漂ってくる流れが良い。モロゾフの箱の件に気づいた所が好きだなあ。また、学校の怪談特有の根拠の無いルールがリアリティがある。結局、彼女は花子さんだったということで、いいんだよね・・・・?
「ブランコをこぐ足」。こっくりさん、ありましたねー。最後は理解に苦しむ終わり方でしたが、結局のところ、想像で終わるか、実際に行動に移すか、という話?だと思ったんですが。度胸試し?それにしても、学校の人間関係って、複雑で子供の方が大変だなあ。
「おとうさん、したいがあるよ」。どうしても、「死体があるよ」を「したい(ことが)アルヨ」の片言日本語で脳内変換して読んでしまいます・・・。なんで?死体は想像の産物なのか、みんなの演技がうまいのか。どっち?
「ふちなしのかがみ」。そんなことだろうとは思ったが!複雑な家庭の事情の犠牲者は、いつも子供なのです。かがみといえば、「むらさきかがみ」ってあったよなー。ほら、20歳の誕生日に思い出すと死ぬという。思い出したらどうしようって心配していた若かりし頃が懐かしいぜ。
「八月の天変地異」。嘘にハラハラ!ゆうちゃんの正体が、セミではなく療養所の友達という落としどころがいい。とにかく、小学生の人間関係はどうしてこんなに複雑なのだ!確かに人気グループとかあったけど。あそこを抜けたら、あんなにアホらしい価値観ってないわって思う。この話が夏らしくて一番好きだなあ。怪談っぽくないんだけど。


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