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読書の記録です。

「図書館戦争」

有川浩/アスキー・メディアワークス

正義の味方、図書館を駆ける!公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗するため、立てよ図書館!狩られる本を、明日を守れ。

ぶーぶー言ってたら、星の廻りが良かったのか、親切な方から借りることができました。ラッキー。
話の途中までは、マンガで読んでいたので、あらすじはまあその通りでした。マンガは原作に忠実だったんだなあ・・・と感心したほど。「別冊~」では、登場人物がフィーチャーされている感じでしたが、本編はやはりと言うべきか当たり前と言うべきか、図書隊の戦いとかメディア良化法の影響やら真面目なテーマにウエイトが置かれていました。堂上と郁に関しても、まだまだぎこちない関係で、まだ郁は堂上が王子様だとは知る由もなく・・・。笑。なぜか好きになれなかった堂上が、意外に好きになれました。クマ殺し!たぶんラブに関しても、シリーズを通してじわじわと深まっていく過程を追っていったならば、「別冊~」でのノロケにもついていけたのかもしれないですね。読む順番って大切なんだなーと身に染みました。今頃・・・。
世界観が入念に作りこまれていて、有川さんはきっと図書館や司書業務について良く調べられたのだと思います。現実をきちんと下敷きにしてフィクションのルールがきちんと出来ている。それだけですごい!似た感じだと、こちらの世界では、東京都の「青少年育成条例」の「非実在青少年」なんかが記憶に新しいところです。結局アレどうなったんだろう。
「メディア良化法」も極端ではありますが、ありえなくはない話ですよねー。戦時中みたいな感覚かな。自分の読みたい本を読む。これが読書の喜びであり、そのような読書にこそ意味があると思います。だけど、子供が読む本に、大人がフィルターをかけてあげなきゃ、っていう気持ちもわかるんだよなあ・・・。私が子供だった頃とは、あきらかに過激の度合いが桁違いだと思うんですよ。バイオレンスにしろ、性描写にしろ。大人が読んでも眉をひそめるようなモンを、正しい知識が備わってない内に得てしまうのは確かに問題だよなーとも思うのです。だから、非常に難しい問題。有川さんが、どのように決着を着けるのか楽しみです。
図書隊が正義、メディア良化委員は悪、っていう明確なラインが無い展開がいいなと思ったり。メディア良化委員のやり方は卑怯で、その点は「悪役」っぽいですけど。なんでキミたち紳士じゃないんだ!
今後、確信できることがひとつ。私、小牧はどうしても好きになれないようです・・・。


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