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読書の記録です。

「美女と竹林」

森見登美彦/光文社

森見氏は、ふとしたきっかけで同僚の実家が所有する竹林を借りることになる。彼は、日に日に多忙になる執筆生活の合間をぬい、友や編集者と竹を伐る。彼が、自ら掘り出したタケノコを食する日は来るのか?

なんていうか、森見・Bamboo・登美彦って悔しいがかっこいい響きだ!小説だと思い込んでいたら、実はエッセイ集でした。
竹林と言えば、京都旅行中に撮った写真が竹林の写真1枚だけという苦い思い出や、犬の散歩で竹林に行った母親がタケノコ泥棒と間違われた思い出を思い出しますなあ。っていうのはありますけど、特に私は竹林に思い入れのある人ではないので・・・。竹林愛にシンパシーは感じれなかったのですが・・・。むしろ、1人で竹林にいると、なんか出てきそうで怖いっていうか・・・。しかし、理解はできなくともあの偏愛っぷりは読んでいておもしろかったです。竹フェチは聞いたことないけど、竹林で癒される人って結構いらっしゃるかもしれませんねー。机上の竹林というフレーズはおもしろかったです。本当に流行りそうやわ。そこまで事業展開できるか!竹林!花咲くと枯れちゃうって知らなんだ。
同僚の鍵屋さんの竹林整備に名乗りを上げた森見氏は、友人の明石氏を巻き込んで、竹伐採に励みます。いや励む予定だったけど、商売繁盛でそんな暇が無くなって、明石氏も司法試験に受かって暇が無い。さて困った。困った時の編集者頼み。という感じで、最終的には編集者軍団を引き連れて竹林整備を無理やり終わらせた感が。力技でしたな。「竹林バスターズ」の設定で、1話読んでみたいです。
森見さん、この時期は独身だったんですねー。奥様との出会いは、竹林・・・なわけないか。


「『美女と竹林』とは、美女がいて竹林があるという意味ではなく、美女と竹林が等価交換の関係にあることを示している。つまり読む人は、洛西の竹林の涼やかなざわめきの向こうに、玲瓏たる美女のおもかげを感じ取らねばならない。『美女はどうした?』という野暮なつっこみは、今後一切却下してかえりみないぞ。」


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