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読書の記録です。

「そのときは彼によろしく」

市川拓司/小学館

小さなアクアショップを営む「ぼく」のもとに、一人の美しい女性がアルバイトにやってくる。やがて彼女は幼なじみの少女で初恋の人、花梨だと判明する。

15年越しの恋。
押し付けがましくない優しい雰囲気がいいと思います。会話の間の取り方が私好みですね。
お父さんがすごく素敵です。レストランでの一幕とか。お茶目でかわいい。
トラッシュが好き。もう、彼にまつわるエピソードはうるうるしてしまいます。生き物には弱いのです。うちの犬と重なって見えてくるのよう。
私にはこんなにキラキラした思い出は特にないので、うらやましいやらなんやら。
ただですね、私はこれをファンタジーだとはこれっぽっちも思っていなかったので、最後の方は肩透かしを喰らわされた感じです。夢の世界?はあ?と首を傾げてしまいました。現代の恋愛小説だと思っていたのに、わけのわからんものでお茶をにごされた感じがして、後味がすっきりしなかった。そこが残念。

「でも、この悲しみには意味があるんだよね?」
「うん、きっとね。悲しみが深いほど、ぼくらは彼のことを強く記憶に残していくんだ。」


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