「そのときは彼によろしく」 本 2007年08月13日 市川拓司/小学館小さなアクアショップを営む「ぼく」のもとに、一人の美しい女性がアルバイトにやってくる。やがて彼女は幼なじみの少女で初恋の人、花梨だと判明する。15年越しの恋。押し付けがましくない優しい雰囲気がいいと思います。会話の間の取り方が私好みですね。お父さんがすごく素敵です。レストランでの一幕とか。お茶目でかわいい。トラッシュが好き。もう、彼にまつわるエピソードはうるうるしてしまいます。生き物には弱いのです。うちの犬と重なって見えてくるのよう。私にはこんなにキラキラした思い出は特にないので、うらやましいやらなんやら。ただですね、私はこれをファンタジーだとはこれっぽっちも思っていなかったので、最後の方は肩透かしを喰らわされた感じです。夢の世界?はあ?と首を傾げてしまいました。現代の恋愛小説だと思っていたのに、わけのわからんものでお茶をにごされた感じがして、後味がすっきりしなかった。そこが残念。「でも、この悲しみには意味があるんだよね?」「うん、きっとね。悲しみが深いほど、ぼくらは彼のことを強く記憶に残していくんだ。」 PR