忍者ブログ
読書の記録です。

「ピエタ」

大島真寿美/ポプラ社

18世紀、水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる・・・。

表紙から、勝手に双子の女の子の話だと思ってました。・・・全然違う話でした。孤児院で生まれ育った女性を主軸に、その時代を生きた女性たちの人生についての話・・・だと思います。
いまいち確信が持てないのは、話が全体的にぼんやりとしていたからなんですが・・・。ヴィヴァルディの楽譜をめぐるミステリなのか?エミーリアの過去について語られるのか?はたまた、クラウディアも一枚かんでくるのか?と色々ネタは小出しにされるのですが、中途半端にほったらかしになっていて、結局何が言いたかったのか・・・つかみどころがありませんでした。
主人公のエミーリアからしてがぼんやりとしていて、この人は本当に40代半ばの大人の女性なのかしら?と思うことしばしばでした。
どの女性も、色々な困難を背負っています。その中でも、ヴェロニカが一番好きだったかなー。経済的には困っていないけれど、満たされないものはたくさんあって、心を許せる人も数少ない。けれど、最後に姪っ子が彼女のために泣いてくれて、救われたのではないかと思います。アンナ・マリーアは途中から出番が少なくなっていって、少しかわいそうな気がします・・・。
本屋大賞3位らしいですねー。きっと多くの書店員さんが推されたのでしょう。
残念ながら、私はそこまでのれませんでした。つまらなかったわけではなく、話の焦点(というかメイン)が固定されていたら、すとんと落ちてきたかもしれません。


「よろこびはここにある」


PR