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読書の記録です。

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「水族館の殺人」

青崎有吾/東京創元社

夏休み中盤に風ヶ丘高校新聞部は、取材で市内の穴場水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、サメの巨大水槽の前でサメが飼育員に喰いつくところを目撃する。駆けつけた神奈川県警の仙堂と袴田が関係者に事情聴取していくと、すべての容疑者に強固なアリバイがあることが判明。仙堂と袴田は、仕方なく裏染天馬に応援を頼むことにする・・・。

オタク探偵、再び!・・・でも、前よりオタクのインパクトがなかったというか。おそらく、興味ないネタはスルーしてるからだと思います。喰いつき悪くてすいません。
水族館が舞台のミステリーには、たまーにお目にかかりますけど、水族館大好きな私としては、あんまり血なまぐさい事件は読みたくないっていうか・・・。特に今回は、上半身サメに食べられちゃってます。あんなの見たら、トラウマになりそう・・・。
事件当時、現場にいたのは新聞部の面々で、柚乃は卓球部の試合中。駆けつけたお馴染みのコンビは、容疑者のアリバイを崩すことができず、渋々天馬の協力を求めることに。この時点で、協力というより捜査委託。新品のクーラーに釣られた天馬だが、謎を解明することに関しては、並々ならぬやる気を見せます。柚乃もびっくり。
最初の犯行時刻とアリバイは、トリック(ペーパー!)を見破ったことにより、あっけなく崩れる。さらに、ここからモップとバケツに目をつける天馬。これはすごい!言われてみれば・・・なんですよね。自分では思いつかないです。一度推理を見直す必要があったものの、そこからは怒涛の謎解きが始まります。使用後の紙はどうしたのか?絞られる容疑者。そして決め手となったのは、腕・・・。これでもかと畳み掛ける理詰めの推理は、読んでいて楽しかったです。それだけに、最後の動機はちょっと・・・でした。個人的な恨みは無かったけど、個人的利益の追求のために・・・って感じですかね。
前回の生徒会副会長がパシリと化している!笑。こういう使い方は結構好きです。なんか、憎めないキャラに仕上がりましたね~。今回は謎意外にも、いかにも!な天馬の妹や、天馬と高校卓球界のクイーンとの関係や、家庭の事情やら色々伏線らしきものが出てきました。うーん、私はその辺どうでもいいんですが(笑)、シリーズとして定着させること自体は良いと思います。
謎解きは申し分ないのですが、次の「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」もそうだし、これまでの2冊でも、ジャンルを問わず他作品のパロディ・引用が目立ちます。もちろん、悪いことではないのですが・・・。そろそろオリジナルのネタで勝負した方がいいような気がするなあ。


「人間は、嘘をつきますからね」


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