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読書の記録です。

「雪月花黙示録」

恩田陸/KADOKAWA

大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分された近未来の日本。美青年剣士の紫風が生徒会長を務めるミヤコに謎の飛行物体が飛来した。それは第三の勢力「伝道者」の宣戦布告だった!

今回はSFでした。
ミヤコの中で、代々権力を握ってきた春日家の面々が主人公。生徒会長の紫風に、凄腕の剣士の萌黄。元気娘の蘇芳。もともとミヤコに敵対する勢力として、帝国主義者が存在していたが、第三の勢力「伝道者」が暗躍し始める・・・。という、学園モノかと思いきや、ミヤコの成り立ちの謎にも触れられたりして、一言で説明できない話ですね。とりとめがないというか・・・。ネタばらしになるけど、ミヤコのPVみたいな話なのかなあ。これはイントロダクション?
紫風と萌黄を救出するあたりがヤマかなと思っていたので、その後あっさり救出し、うだうだとその後のエピソードが続いたのが残念だった。日本の大多数は帝国主義で、ミヤコはモデルケースとして意図的に残された地域である云々・・・と種明かしを読んでも、特に・・・。「ふーん」で終わりました。笑。蘇芳が合宿先で謎の生物兵器に襲われたり、佐伯の正体は?とか、ところどころはおもしろいんですが・・・。
話のことはおいておいて、恩田作品にしては珍しい、裏表のない蘇芳が好きでした。明るくて元気いっぱいの蘇芳がかわいかったから、この本が最後まで読めたと言ってもいいと思う。他にも、派手好き蘇芳好きで裏に何かありそうなミッチーや、愉快な双子姉妹も好きでした。まあ、こんな感じに登場人物を楽しむと良いかもしれません。
恩田さんのミステリーを、そろそろ読みたいなあ・・・。


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