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読書の記録です。

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「切れない糸」

坂木司/東京創元社

主人公・新井和也は、大学卒業直前に父親が急死し、家業のクリーニング屋を継ぐことになった。商店街の人情味あふれるミステリー短編集。

新シリーズはクリーニング屋さん。
色々豆知識が増えて、それだけでも楽しい一冊です。主人公・新井君の言動もおもしろい。いいキャラしてます。謎解きも変にひねってなくてわかりやすい。
前シリーズは、引きこもりの探偵が急に子供がえりするシーンが苦手でたまらんかったのです。それが無いだけで、かなり好印象。
基本的に登場人物は根がいい人たちばかりで、こんな人たちばかりならば商店街も悪くないんじゃない、という気にはなりますが、田舎の人間関係を見ていた私には、やはり近すぎるご近所つきあいは少し苦しい気がする・・・。田舎と商店街は似て非なるものですけれども。
坂木さんは、食べ物をほんとにおいしそうに書かれています。グルメ本では無いのですが、本編へのからませ方が上手。飲めないのに、コーヒーが飲みたくなりましたもの。笑。
“秋祭りの夜”の屋台は、絶対ひやしあめだと思ったんだけどなあ。


「終わらないことはないし、いなくならない人はいない。」
細木数子が、子供の「人はなぜ死ぬの?」という質問に、「人は神様のパワーによって生きている。心が悪いとその神様のパワーが切れるからだ。」みたいなことを言っていましたが、そうではなく、つまりはこういうことではないかと思う。


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