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読書の記録です。

「蜂に魅かれた容疑者」

大倉崇裕/講談社

新興宗教団体にかかわる事件で、捜査を指揮していた警視庁の管理官が銃撃された。庁内が緊張に包まれる中、都内近郊の各地ではスズメバチが人を襲う事故が続けて起こる。本庁の総務部総務課動植物管理係の須藤友三警部補と部下の薄圭子巡査は、捜査一課からの依頼で蜂の事故の調査を始める。

ペットのアンソロジーに収録されていた、ヨウムの話のコンビかな?
かつては捜査一課に所属していた須藤だが、頭部にケガを負ったことから、総務部総務課動植物管理係に異動となった。動植物管理係は、容疑者や被疑者の飼っていたペットなどの管理をする部署(だと私は理解しているのですが・・・。違うかも。)。警察博物館の薄(うすき)とともに、蜂の事故調査を行うが、鬼頭管理官狙撃事件から新興宗教団体「ギヤマンの鐘」との関連も浮かび上がってくる。
実際にこういう部署があるのかは知らないですが・・・。コワモテの須藤とタッグを組むのは、天然動物オタクの薄。福家さんとちょっと似た感じのテンポの外し方です。天然はかわいいんですけど・・・、後半まで聞き間違いのボケをかまされると、イラっときちゃうんですよねー・・・。「そんな奴はおらんやろ~」(大木こだま・ひびき)、何回思ったことか。
犯人は蜂の扱いに長けており、煙などで麻痺させた蜂を箱にいれ、現場に放り込みもしくは放置し、覚醒した蜂が人を襲う・・・といった方法で犯行を重ねていた。中には死者が出るケースもあった。犯人の狙いは何なのか?ただの無差別な犯行なのか?夫婦漫才をしながら捜査する2人だが、所轄の好青年・田之倉くんが蜂に刺され重傷を負ったあたりから、シリアスな雰囲気に。田之倉の無念を晴らすためにも、犯人は絶対捕まえる!・・・って、死んでないです。笑。良かったです。
その後、一連の犯行は犯人の誤認逮捕により、養蜂場が廃業に追い込まれたことがきっかけと判明。こんな悲劇を二度と起こさないように。これが、動植物管理係発足のはじまり。えーと、あとは、諸々の蜂被害は実験で、本丸の犯行は1件のみだったようです。いい迷惑だ・・・。さらっと読めますが、最後はごちゃごちゃした感じでまとまりが悪かったのが残念でした。
薄さんの動物ウンチクは楽しいし、人間より動物が好きっていうのもなんかわかるし、魅力的なキャラクターだとは思うのですが、どうにも聞き間違いネタが好きになれませんでした。ボケとアホは違いますからね・・・。そういう観点から、福家警部補寄りな私。


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