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読書の記録です。

「マドンナ」

奥田英朗/講談社

荻野春彦が課長を務める営業三課に、女子社員が異動してきた。名前は倉田知美。知美は春彦のタイプの女性だった。いかん、いかん、と思いつつも彼女に魅かれてゆく春彦。表題作「マドンナ」を含む、オフィス模様を描いた短編集。

あらすじを読むとラブストーリーっぽいですが、違います。
サラリーマンの哀愁・・・。そんな感じ。“マドンナ”も、若いOLとの純愛物語ではなく、中年男性の妄想が暴走し、最後には哀愁漂う作品なのです。
“総務は女房”の「馬鹿か、お前は」には大ウケした。確かに。笑。そら、あなた、経済大国日本で生まれ育ったからそんなのんきなことが言えるんじゃない?今の生活が成り立っているのも、経済の発展があったからこそなのですよ、きっと。
大きな組織の中で、日々、いろいろ思うところはあるのだけど、最終的に自分はちっぽけな存在なんだよなあ、と思うことってありません?(私の場合、小さな組織ですが。)でも、きっとそれなりに幸せなんです。


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