忍者ブログ
読書の記録です。

「別冊図書館戦争Ⅱ」

有川浩/アスキー・メディアワークス

大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。

とうとう、本編よりも先に完結編を読んでしまいました・・・。もうそろそろ本編が文庫化されてもいいと思うんだけどねえ。
なんといってもメインディッシュは柴崎と手塚の話でしょう!すでに3回キスした仲とは知りませんでしたが・・・。くそう、もてる男と女は違うなあ!・・・とうらやましい事だけではなく。目立つということは、大変なのだ。特に女はひどい。妬み僻み恨み。ライバルを応援できない腹黒さは、私にもわかる。しかし、女性という性につけこんで、傷つけるやり方はいかんなあ。同じ女として、脆いところがわかっているんだから、攻撃するのではなく、そこは避けないと。ところで、アイコラなんて、まだやる人いるのか・・・。そして、隠し持っていた隊員をぶっとばす郁に拍手した。ステキ!男前!男前といえば、手塚くんがカッコ良かった。やはり手塚はいい男だった!柴崎の事件がハードだっただけに、甘さはそこそこ抑えられていて、2人はお似合いだし。良かったな。
郁と堂上のノロケは置いておいて・・・。最初の緒方の話はなかなか良かったです。緒方副隊長がどのような人物が存じ上げていないのですが、実直な人柄がにじみでていましたー。「還暦過ぎたら籍でもいれるか」なんて粋なことを言ったのは、玄田隊長!?有川さんにオヤジを書かせたら、天下一品だな・・・。かっこ良すぎる!
普段は、この役にはまる俳優さんは・・・って考えないんですが。今回は途中で柴崎がどうしても柴崎コウになってしまって、じゃあ、手塚は誰だ?って考え出したら止まらなくなりました。手塚は小栗旬でー、郁は榮倉奈々!小牧は、年齢的に無理があるけど堺さん(笑)。ぜひ堺さん!最後の堂上が難しい!身長が低くて硬派・・・。最近の男優さんは、みなさん背が高くて甘いマスクをしてらっしゃいますからー。桐谷謙太とか、勝地涼とか?背がねえ、高いですよねえ・・・。
柴崎おめでとう!と思ったけど、やっぱり本編を読んでない分、感無量という感じにはならなかった。こんな時、順番どおりに読まなかったことが悔やまれるなあ。ケチるんじゃなかった!バカバカ!早く文庫化してよう!(八つ当たり)


PR

「六月の夜と昼のあわいに」

恩田陸/朝日新聞出版

よび覚まされる記憶、あふれ出る感情、たち上がる論理。言葉によって喚起される、人間のいとなみ。

不思議短編集。絵画と歌・詩と小説のコラボレーション。
良くわからなかったんですが、雰囲気だけで楽しんだ感じ。もともと、恩田さんの作品は、雰囲気勝負ですからね!(褒め言葉)
ジャンルでわけてみよう。
ミステリ色が強くて、比較的わかりやすかったもの。「唐草模様」唐草模様・風呂敷・蔦・コスモス。タイミングの良い死は、殺人を連想させる。「Y字路の事件」SFに近いかもしれない。なんとなくほのぼのした読後感。「コンパートメントにて」たまに、自分の考えていることが、だだ漏れだったら困るなあ、どうしようと思うことがある。他人の考えていることがわからなくて良かった。
人間風刺?「窯変・田久保順子」あったかもしれない未来。けれど、失われたのならば、残念ながらそれは無意味なものである。「翳りゆく部屋」「あたしなんか」と言う人に限って、実はそんなに駄目だとは思っていない法則。「酒肆ローレライ」気持ちのいいお酒なら、溺れ死んでもかまわないじゃない?でも、命までとらないのは慈悲深いなあと思う。
不思議な世界。「夜を遡る」大きい魚はグロテスク。設定が色々ぶっとんでいて、置いていかれていましたが、かろうじて兄妹仲が良いということは理解できた。
随筆っぽい。「恋はみずいろ」「約束の地」「Interchange」・・・何もコメントすることはない!


「やさぐれるには、まだ早い!」

豊島ミホ/メディアファクトリー

大学入学を機に秋田から上京して20歳で作家になった豊島ミホの東京っぽくない東京暮らし。“底辺女子高生”だった彼女は、ここで何を見つけたのか。それとも、何も見つからなかったのか。

豊島さんの本は気になるものが多くて、いつか読みたいなあと思っています。あらすじは知らないのですが、題名とか装丁がきれいで爽やかなので。
ところが、豊島さんって「R-18」の出身者だったんですね!
「R-18」って言ったら女性のための官能小説じゃないですか。官能小説って言ったら、アレですよね、エロエロ?杉本彩?というイメージが。あの爽やかそうな本が、実はすごいことになってるのかしら・・・。
でも、この本を読んだら、杉本彩どころか、普通のおもしろいお姉ちゃんでした。私と同い年だし、星座も一緒だから誕生日も近いはず。ちょっと非モテなところにもシンパシーを感じます。
どれもおもしろいのですが・・・。以下お気に入りを。「恋人へのプレゼントチョイス法・一例」ヤカン(ケトル)は初めて聞いたけれど、理由を読んで納得。「眠くなるように話して欲しい」ポッドキャストを眠るために利用する、という発想がただ者ではない!「ああ、犬よ」ラブラドールではないのに、ラブたん。ラブは愛のラブ?「一番かわいい彼女」確か、テレビ番組(探偵ナイトスクープ)でマネキンと結婚式を挙げている人がいたなあということを思い出した。他にもいろいろ。
何度も売れない売れないと悲観されているのですが、私でも知っているくらいなので、ある程度知名度はあると思うのだけど・・・。これでも売れてないのかー、と人気稼業の厳しさを垣間見ました。最後の方では、東京での生活に疲れ、帰郷してリフレッシュされています。今は休業中ですが、いつかまた戻ってきて欲しいなと思います。
エロオンリーは苦手なんですが、なるべくそれっぽくないものを選ぼうっと。


「鬼の跫音」

道尾秀介/角川書店

心の中に生まれた鬼が、私を追いかけてくる。もう絶対に逃げ切れないところまで。一篇ごとに繰り返される驚愕、そして震撼。ミステリと文芸の壁を軽々と越えた期待の短篇集。

ホラーとミステリーの融合。やっぱりおもしろい!
カラスさんが雰囲気を盛り上げてくれています。やっぱり死の使いとかってイメージがあるんかなあ。悪い子じゃないのに。頭がいいだけなのにね。
「鈴虫」こういう話を読むと、女性はしたたかで恐ろしいなあと思います。こんなどんでん返しなら大歓迎だ!一作目からハートをがっちり掴まれました。ところで鈴虫は何をささやいていたのだろう。
「ケモノ」最後のオチは予測できていたが、途中はわかんなかったー。女性が男性をレイプするっていう構図は、それはそれで嫌なもんです。
「よいぎつね」最低な男だな!おい!ヘタレ!とずっと罵ってたような。
「箱詰めの文字」あまりにも言い訳が堂に入ってて、本当に盗作されたのは主人公の方なのかと思いそうになった。私は騙されやすい・・・。
「冬の鬼」時系列が逆になっているのが良かった。鬼とは何ぞや?という疑問は残りますが、幸せでない結末を想像できただけで満足。人でなしみたいだ、自分・・・。
「悪意の顔」そんなに絵って真似れるものなのかな・・・。絵が下手な人間には信じられない。この年にして模写が上手い?モシャス!
賛否両論あると思いますが、私はこの気持ち悪さが結構好きなので、売れっ子になっても、道尾さんには、たまにはこのジャンルを書いて欲しいなあと思います。


「製鉄天使」

桜庭一樹/東京創元社

鳥取県赤珠村の製鉄会社の長女・赤緑豆小豆は、鉄を支配し自在に操る能力を持っていた。彼女は、やがてレディース“製鉄天使”の初代総長として、中国地方全土の制圧に乗り出す。中国地方にその名を轟かせた伝説の少女の、唖然呆然の一代記。

「赤朽葉家の伝説」で、毛毬さんが描いていた漫画「あいあん天使(エンジェル)!」の小説版?みたいなものでしょうか。私、てっきり毛毬さんの中国地方制覇の話だと思ってたんで、拍子抜けしました。まあ、この話自体、毛毬さんの自叙伝といえば、そうなんですが・・・。違いと言えば、特殊能力のあるなしくらいかしら・・・。12年週刊で続いた長編が小説一冊でまとまるわけがないよなあ。
あらすじは大体本編と一緒なので、目新しいところはなし。むしろ飽きた!笑。間を詰めて読んだのが逆効果になったようです。とはいえ、毛毬さんのキップの良さは好きなので、その点は楽しめました。私は、良くも悪くも真面目な人間なので、こんなハメのはずし方できないなあと。友達と遊んだり疎遠になったりって、ベースは一緒なんだけど。何せレディースですから。
幕間が、ミステリーな雰囲気でしたが・・・。最後には、埋蔵金かいっ!と突っ込んでしまいました。マンガもそういうオチだったのかー。という新発見。
なんだかしまらない感想になってしまいましたが、これ以上感想が思いつかないんだぜ・・・。