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読書の記録です。

「さまよう刃」

東野圭吾/朝日新聞社

蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。遺族に裁く権利はあるのか? 社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?

うーん、難しいテーマです。ちょっと過激な発言をさせていただくと、私は未成年だろうが、何歳だろうが刑事罰を与えるべきだと思っています。年齢ではなく、何を犯したかを問うべきだと。守るべきは被害者か加害者か。大人が思うよりも、子供はずっとずる賢く、したたかであるとまだ気付いていないフリをしているのです。
あのようなケダモノが、人間としてのうのうと生きるなんて確かに許せない。死んで当然。殺されても同情の余地などない。
ただ、もし自分が彼だったら。自分は人を殺せるだろうか。それは正義なのか。
本の中で、何も答えが出なかったのと同じように、私の答えも出ないままです。
こんな葛藤を現実に味わう人が少しでもいなくなるように祈るばかりです。


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