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読書の記録です。

「化物語」

西尾維新/講談社

阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった!?西尾維新が満を持して放つ、これぞ現代の怪異!

良くも悪くもライトノベルの作風、という印象。
まあ、主人公の男がね、モテモテなんですよ。登場人物の女の子は、みんな彼のことを憎からず想っているんですよ。それで、当の本人は「あいつの好きな奴って誰だろう?」とか思っちゃってるんですよ。あはははは、ムカツクー(爽やかな笑顔で)。同性の友達がいない男ってモテるか?あと、戦場ヶ原と委員長の阿良々木争奪戦(?)は、私は早いモン勝ちだったと思います。一概には言えないのですが、早い遅いがある時ってあると思う・・・。
西尾さんの言葉遊びは、時々こちらの意表をつくような鋭さがあって、そこが好きだったのですが、今作での言葉遊びは鋭さ皆無です。ウケ狙いに徹しているというか。掛け合いならば、秋田禎信さんの方がテンポもネタも上手。この掛け合いを削って、もっとシンプルにまとめた方が綺麗だと思います。
怪異は、最終的に人の心に絡んでくる展開で、その辺は良くお約束が守れていたと思います。私は少し含みのある「なでこスネイク」の終わり方が好きだったな。
作者の趣味全開・・・ということで・・・。スク水、ブルマ、猫耳、眼鏡っ子委員長、ツンデレ、妹、等・・・は、まあ、まあ、良くあるオタクネタとしても、「ねこねこ幻想曲」や「きんぎょ注意報」もシュミなんですか・・・。もしや「赤ずきんチャチャ」も・・・!そういえば、麻耶さんの作品にも「わぴこ」が出てくる短編があったような・・・無かったような・・・。
ダジャレで誤植ネタやる前に、本当の誤植を直して欲しかった。上巻・下巻各1箇所。12ヶ月連続刊行しても、こんな雑な作りじゃ読み手もイライラするよー。ほとんどの本読みさんは、スピードより質を重視、だと思います。装丁も1600円という値段に見合った本に・・・。


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