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読書の記録です。

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「営繕かるかや怪異譚 その参」

小野不由美/角川書店

建物で起こる怪異を解くため、営繕屋は死者に思いを巡らせる。

あっさりめホラーという感じ。
そろそろ家の建て替えとか考えないと・・・という時期で、色々考えさせられました。
家は家族に結び付いていて、いい思い出もあれば恨み辛みもあり、壊して終わり!って解決するパターンだけではないところが深いです。
印象に残ったものを。
「火焔」義理の母を長年介護した末に看取った順子。存在しないはずなのに、確かに家の中に義母の気配がすることに苦しめられる。嫁姑問題!通いで義母のご飯を作りに行っていた私の母の知り合いの方も、ゴミ箱に見えるようにご飯が捨ててあったそうです。目の前でまずいと言って捨てられるのと、無言でわざと見えるところに捨てられるのと・・・どっちがいいですか?どっちもイヤー!強いて言うなら前者ですかね。後者は陰険すぎるやろ。お義母さん、寂しいのかなあ。
「歪む家」弥生の趣味はドールハウス作り。しかし、作り込むごとに闇を感じるようになり、供養することを繰り返していた。私ドールハウス好きなので、読んでいて一番ワクワクしました。自分で全部作れるって尊敬です。自分、不器用なもので・・・。色々裏設定を考えてしまうのは、弥生さんの性みたいなもんなので、やめられないと思う。智章さんの言うとおり、いっそネズミのドールハウスを作るのが良いと思う。
「誰が袖」典利は実家で女の幽霊を見かけることがあった。結婚して新居に移り住み、自分にはもう関係ないと思っていたが、祖父と父のある共通点を見つけ・・・。夫婦愛が素晴らしい。もう一度プロポーズに行くからってすごい殺し文句だなあ。
「茨姫」母も姉も亡くなり、放置していた生家に戻ってきた響子。姉は15年前に庭の小屋で自殺したのだ。姉との思い出を取り戻し、小屋を残そうという響子の思いに応える仕事人の尾端さんが素敵。母親の偏愛がなければ、今も仲の良い姉妹でいられたのかと思うと親の責任は大きい。小屋が良い憩いのスペースになりそうで良かった。



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