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読書の記録です。

「BUTTER」

柚木麻子/新潮文庫

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。

私の性別が女性だからか、女性の性みたいなものを読むと「うっ、生々しい・・・」と引いてしまいます。特に私は他人に深入りしない(できない)ので、里佳と伶子の濃厚な関係に恐怖を感じていました。特に伶子さんが暴走してからがやばかった。友達の仕事と自分の問題を混ぜちゃだめですよ。こわいよー。
私は男性にモテないですし男友達もいないので、梶井さんの気持ちはさっぱりワケワカメなのですが、料理上手ではなくとも立ち回りが上手な女性はいますね。そして女性とは折り合いが悪い。笑。私も男性人気の高い女性は苦手かも~。なんか・・・、笑ってるけど、笑ってない感が怖いですねえ。梶井さんは本当は同性のお友達が欲しかったのかな?
対して、里佳は独自のコミュニティのようなものを作り上げてゆくのですが、こちらも私にはちょっと良くわかんないや・・・。避難したいときにいつでも逃げてこられる、駆け込み寺のような場所。確かにそんな場所があれば、助かるんだろうなあ。だけど、私は人の懐に飛び込むことができないので、こういう人の輪にも入ることはできないんだろうなあって思います。相手の状況とか、迷惑かけてないかなとか考えちゃう。
おいしそうな料理が出てくるってことで、この本を手に取りました。評判通り、料理の描写がとてもおいしそうでした!後半のパーティー料理は無理ですが、たらこパスタにはまったし、バター醤油ご飯やラーメン、バターのお餅くらいなら簡単に作れそうです。最近の物価高も相まって、バターが高いからついついマーガリンで代用していましたが、やっぱりバターは違う・・・!登場人物の誰にも共感できなかったけど、バターのおいしさを思い出させてくれてありがとう。
食べ過ぎに気をつけねば。


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