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読書の記録です。

「殺人の門」

東野圭吾/角川書店

どうしても殺したい男がいる。その男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。人間の心の闇に潜む殺人願望を克明に描く、衝撃の問題作。

お前はアホか、と何度つっこんだことか。私だったら、賭け五目に連れていかれた時点で関係を切りますけど・・・。自分がカモだって事に気付くのは、それから10年以上経ってから。いくらなんでもお人好しすぎるよー。
とこけにしていますが、私は田島君のことが嫌いではないのです。自分も大概お人好しなもんで、田島がんばれ、という気持ちもありました。自業自得だけど世渡り下手でかわいそうだと同情もしました。むしろ、平凡な幸せを手に入れようとする田島を誘惑する倉持の方が嫌いだなあ。周りの人たちは、彼にうまいこと騙されてますからね。騙す、というよりも彼がもともと持っている面の一つなんでしょうが・・・。彼が天誅を受けるのはいつか、というのが楽しみでもありました。2人の関係というか、運命というか。大きな流れの中での人間関係を書くのが上手。
殺意や恨みだけで殺人はできない。計画的なものよりも衝動的な殺人の方が、ずっと多いはずですし、これには賛同できるかな。
評価が真っ二つに割れているようですが、私は好きです。


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