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読書の記録です。

「黒笑小説」

東野圭吾/集英社

偉そうな顔をしていても、作家だって俗物根性丸出し!俗物作家東野がヤケクソで描く、文壇事情など13の黒い笑い。

シモだシモだという話を読んだ人から聞いていましたが、そんなにシモネタだとは感じなかったなあ。シモネタ耐性がついたのか。どんなレベルアップだよ・・・。1話1話が気軽に読める短編集。ということで、感想もかるーく。
「もうひとつの助走」寒川先生、あわれ・・・!こういう勘違いオチ、好きだなあ。
「巨乳妄想症候群」「インポグラ」たぶん、この本がシモネタと言われたのは、この2作が原因だろうなあと想像してみる。いや、インポグラは実際にあったら使えそうですよね!笑。
「みえすぎ」雑菌が目に見え、洗濯機を1日5回まわすという坂上忍のトークを思い出した。どうでもいい回想ですいません。
「モテモテ・スプレー」かわいそうだが、そこまでして・・・という涙ぐましい努力が、我々の笑いをさそうのです。ぷぷっ。
「線香花火」「過去の人」作家が書くだけに、そういう人が本当にいそうな気がしてきた。編集は、恐ろしいなあ。
「シンデレラ白夜行」ほんとうは恐いグリム童話・・・。そうか、ガラスの靴である理由はそこにあったのか!と納得した。そうそう、悲劇のヒロインはみんなしたたかな女なんだよねえ。
「ストーカー入門」女の見栄ってやだな。なんだかんだ言いつつ、ちゃんと彼女の指示に従っている彼氏がいい人だ。
「臨界家族」もし、自分に子供ができたとき、おねだりに屈しない自信はない!というか、たぶん怒れない。だめじゃん。
「笑わない男」きれいにオチがついていて、一番好きな作品。今のお笑いブームに乗っかって売れて、自分はおもしろいんだと勘違いしている芸人が読めばいいと思う。
「奇跡の一枚」私は、めちゃくちゃ写真写りが悪いので、うらやましい~。なぜ、人はすぐばれると分かっていて、嘘をついてしまうのだろうか・・・。
「選考会」寒川先生、再び・・・!「過去の人」での扱いの原因が判明。振り落としに、ここまで手間ひまかけてくれた編集は、優しいのか、ひどいのか・・・?
滑稽な登場人物たちに、くすりと笑いをもらしながらも、頭の片隅では「結構自分も同じ思考をしてるかも・・・」とぼんやり思っていました。


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