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読書の記録です。

「空色勾玉」

荻原規子/徳間書店

狭也の幸せな日々に、影を落とすのは昔の記憶。『おまえは「闇」の氏族の巫女姫だ』と告げられて、憧れの「輝」の宮に救いを求める狭也。宮の神殿での稚羽矢との出会いが、狭也の運命を大きく変えていく。

「西の善き魔女」がとても良かったので、いつか他の作品も読みたいなーと思っていたのです。こちらは「勾玉シリーズ」の1作目。和風テイスト。
意外に世界観や言葉の概念が難しく、児童書にカテゴライズしていいのかしらん、と思いましたよ。いや、最近の子は賢いからきっと大丈夫か。漢字とか読めちゃうか。
「西の~」でも好きだった、淡い恋心の描写。うーん、狭也に思いを寄せる彼が良かったなあ(良かったわりには名前を忘れた)。花を贈ったりして、キュンとさせられました。いやー、シンデレラストーリーに弱いって、自分は年を取っても乙女なのね、と思わせてくれました。
後半には色々と悲しい展開があり、想像していたよりも波乱を含んでいました。主人公がちょこまかと動くので、話に動きがあって飽きることは無いと思います。古代の日本神話を下敷きにしているので、そのあたりが好きな人は入りやすいかも。
デビュー作とは思えないクオリティ。ファンタジー好きな人はぜひぜひ。


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