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読書の記録です。

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「ぐるぐる猿と歌う鳥」

加納朋子/講談社

五年生に進級する春、森は父親の転勤で東京から北九州へ転校することになった。引越し先の社宅の子どもたちとは不思議に気があい、彼らは森をまるごと受け入れてくれた。しかし森はこの社宅には何か秘密があると感じていた。

ミステリーランドの作品の中では珍しい、ソフトタイプでした。
日本の団地(工場の社宅)が舞台で、懐かしい香りがしました。私が子供だった頃より、もうちょっと昔、という時代設定なのかな~。スライムが流行った記憶がないもんで・・・。
謎がいくつか提示されていて、物語のピースとして、一つ一つがはまっていきます。物語全体が良く言えば、当たり障りなく、悪く言えば地味なために、印章に残りにくい作品でした。家庭内のいざこざはありますが、まあ、子供向けでは許容範囲内かと。うちが平和すぎるのか、世間が世知辛いのか。母子家庭は増加の一途をたどり、DVで苦しむ家庭もきっとたくさんあるのでしょう。だけど、なるべく多くの家庭が平和であって欲しいなあと思います。健全でない家庭の子供は、やはり、どこか影を背負っていたり、精神のバランスが危ういように見えます。きっと、人の心の動きに人一倍敏感なんだろうな。
この作品では、そういった子供たちも、そうでない子も、手と手を取り合って協力して問題を解決していきます。子供を救うのは子供、そういう図式もありだなと思いました。実際、損得勘定無しで付き合える友達を、社会人になってから見つけるというのは大変だよなーと、しみじみしてしまったよう。
それはさておき、冒険と友情のたっぷり詰まった一冊。サバイバル生活のススメ(違うって)。


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