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読書の記録です。

「しあわせなミステリー」

/宝島社

亭主関白の真逆を体現する男・兜。愛する息子も恐妻も知らない、彼の本当の職業は…殺し屋!?(「BEE」)。故郷の自然と思い出を守りたい。そんな主人公・夏美の前に現れた、不思議な男。彼の正体は…?(「二百十日の風」)。大人気、佐方検事シリーズ最新作。相次ぐ郵便事故に目を留めた佐方は、ありえない秘策で事件を解決する!?(「心を掬う」)。今回の名探偵は…著者人気シリーズ「アゲハ」から飛び出した、ハラマキ捜査官の愛娘・菜月(8歳)(「18番テーブルの幽霊」)。大人気作家オール書き下ろし、“人の死なない”ミステリー。心にしみる、とっておきのアンソロジー。

確かに人は死なないのですが・・・。
「どんな癒しの物語が読めるのだろう・・・!」と期待していたので、読了後は「これ、しあわせ・・・?」と幸せについて考えてしまいました。ちょっと、一般的な幸せの概念から、ずれてるような・・・。
伊坂さん以外は、はじめましての作家さんでした。
「BEE」(伊坂幸太郎)。兜さんって聞いたことあるような。新幹線の話は、マリアビートルかなと思いつつ。登場人物がすべて頭に入っているわけではないので・・・。ファン以外にとっては、ただのハチ退治の話だよね?しかも、ミステリーでもなんでもないっていう。笑。
「二百十日の風」(中山七里)。中山さんといえば、「連続殺人鬼・カエル男」が気になっています。が、猟奇的な話だったらイヤだなあと思って読めずにいます(←チキン)。で、この話はファンタジーでした。10日間で転勤って早いな!産休の代わりなんだから、産休の先生帰ってくるまではいないとダメでしょ。いやいや、今までのは幻で、実は別の先生がずっと勤務していて、みんなの記憶は改ざんされていて・・・というオチはどうよ!とか、ファンタジーをなんとか現実的にしようと考えていた。・・・でも、これって懐かしいだけでしあわせではないよね?
「心を掬う」(柚月裕子)。幸せに一番近いのがこれかなあという気がする。しかし、下水をドブさらいするシーンを読んだあとに、ほっこりできるはずもなく・・・。あと、最後まで福村さんを疑っていた自分は歪んでるなあと、ちょっと落ち込んだ。福村さん、すごくいい人だったんです・・・。
「18番テーブルの幽霊」(吉川英梨)。爆弾騒ぎと母親と子供の話を絡めています。しあわせかどうかはさておいて、とにかくつまらなかった。話がアレなら、もうちょっと謎ときの方をひねって欲しかった。大体、子供の姿を見たいからってだけで働く店を決めて、今度はテーブルのロウソクの灯りが邪魔だからって、架空の予約を入れるって、どんだけ自分勝手なの!笑。母ならば、もっと他にやることがあるでしょ!
しあわせって、主観的なものだから、他人にはわからないものなのかな・・・。


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