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読書の記録です。

「3652」

伊坂幸太郎/新潮社

喫茶店で巻き起こる数々の奇跡、退職を決意したあの日のこと、青春の部屋の直筆間取り図、デビュー前のふたりの恩人、偏愛する本や映画に音楽、「干支」に怯える日々、恐るべき料理、封印された小説のアイディア・・・。伊坂幸太郎が歩んできた10年。

わんちゃんのおしりに引き寄せられて借りてきてしまいました。このおしりは、柴ちゃんかなー。3652という暗号めいたタイトルですが、365日×10年+うるう年の2日=3652ということで・・・えーっ、もう10年たつんだ!とびっくりしました。伊坂さん、私の中で35歳くらいなんですけど、もう43歳なんですね・・・。おいらも年をとるはずだぜ・・・。
読んだことのある伊坂さんのエッセイ、ぱっと思い浮かばないです。本の中でご本人がおっしゃっているように、得意ではないので、依頼を受けることが少ないようです。中には「このミス」のもはや隠し玉でもなんでもない「隠し玉の話」がのっていたり、エッセイ?というものも混じっています。笑。編集者さんが一生懸命集めたんでしょうね。
インタビューを読んだりして、伊坂さんって穏やかで真面目なイメージがあったんですが、それがさらに裏付けられた感じです。お父さんとか、奥さんのキャラクターが立っているので、小説の登場人物は回りの面白い人が原点なのかなと思ったりしました。犬に声かけするお父さん、和みます。でも勝手におやつあげちゃダメですよ。笑。奥さんは飄々としていて、だけど大事なときにはちゃんと支えてくれる頼りになるパートナーって感じがしました。こんな嫁になりたい、というより、こんな嫁が欲しい。
あとは、オススメの本の話なんかもありました。これを読んで「錨を上げよ」を読むくらいなら、気になる本リストから打海文三さんの「愚者と愚者」を読めば良かったー!と激しく後悔しました。「僕の愛したゴウスト」もおもしろそう。大江健三郎さんの登場率の高さに驚きました。純文学で難しそう・・・と敬遠していたのですが、こんなに何回も出てくるとおもしろいのかな?と心が揺れました。・・・が、やはり、私には敷居が高そうなので、もうちょっと先にとっておきます。笑。
色々な方との縁があって、作品が作られている。それは奇跡というより、こつこつと執筆を続けておられた伊坂さんの真摯な姿勢が呼び寄せたものなのかなと思います。だって、謙虚に一生懸命がんばってる人って応援したくなるじゃないですか。
これからも伊坂さんの本は追っかけますが、肌に合わない本には文句を言うかもしれません。読者なんて身勝手なもんです。色んな感想にめげずに、マイペースに書き続けていただきたいと思います。


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