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読書の記録です。

「放課後探偵団」

/東京創元社

ミステリ界の新たな潮流を予感させる新世代の気鋭五人が描く、学園探偵たちの活躍譚。

学生だったあの頃から何年たっても、学園モノはおもしろいです。授業の雰囲気とか、行事のあれこれは忘れちゃったりしてますけど。願わくば、これから先も若者が主人公の本も楽しめる自分でありたいです。
青春なだけに、殺人とかそういう血なまぐさい話はありません。読後感はどれも良好。
「お届け先には不思議を添えて」(似鳥鶏)ミノ、またあんたか・・・。という感想しか出てこないというか。種明かしは確かに・・・。という感じでしたが、改めて読み返すとこんがらがってきた。阻止したい気持ちはわかる。何せ結婚式ですから。
「ボールがない」(鵜林伸也)最初は、えんえんボールを部員が探していて、いい加減飽きたな・・・。と思っていたら、最後にまさかのラブ注入でびっくりしました。ボールの出所よりもオチにびっくりしたというか。
「恋のおまじないのチンク・ア・チンク」(相沢沙呼)学生時代、ドキドキバレンタインというイベントを通過していないせいか、学校での受け渡しとかそういうシチュエーション自体ピンと来ない自分に絶望した・・・。ミンナ、シアワセソウデ、ヨカッタネー(棒読み)。
「横槍ワイン」(市井豊)こちらは大学生が主役。謎解きは、これが一番うーん・・・となったかなあ。まず聞き間違いもあり得ないと思いましたが、その後の行動もちょっと・・・。そんなことするかなあ?もはや乙女ではない私には、わからないの心理なのかしらん。お酒、大学時代のほうがよく飲んでたなあ。今は飲めないや。
「スプリング・ハズ・カム」(梓崎優)決してハッピーエンドではないけれども、すがすがしい読後感でした。個人的に、あまり好きではないネタ(叙述トリック的なところがある)ですが、最後の情景が美しかったのでチャラになったかなという感じ。私も中学校卒業する時に、タイムカプセル埋めたけど大体何書いたか覚えてるので、もう掘り返さなくていいや・・・。


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「アイディ。」

坂本真綾/星海社

児童劇団、初恋、音楽、舞台、そして、『from everywhere.』ヘとつながるひとり旅の記録─。紡がれた言葉のひと粒ひと粒までが瑞々しくきらめく、珠玉の一冊。

エッセイ本つながり。
大学時代、友人の家で真綾さんの曲を聴いたのが始まりだった。それから、新譜はチェックするようにしています。レンタルだけど・・・(小声)。流行のポップスとは違う、けれどアニメアニメした世界感とも違うサウンド、歌詞、歌声の虜になりました。管野よう子さんの手を離れても、真綾ワールドは崩壊することなく今もステキな音楽を私たちのもとに届けてくれているのです。聞いたことが無い方は、ぜひ一度CDを借りてみて下さい。どれでも大丈夫!
さて、エッセイの方ですが、ネットでアップした記事をまとめたもの+αという感じ?子役時代の話から、レ・ミゼラブル、海外でのホームステイのお話などでした。ミュージカル出演は知っていたのですが、こんなに長い期間出演されていたとは知りませんでした。1回くらい見に行けばよかったな~と後悔しました。アルバムについては、曲のイメージやこの時こんなことを思っていた、という話が曲とともに思い出されて改めて歌の良さを感じることができました。
真綾さんのプライベートな一面を見ることができます。バレンタインデーの本命チョコ事件や、チャイ語試験忘れてショッピングしてたよ事件が印象に残っていて(笑)、うっかり屋さんな真綾さんもかわいい・・・。真綾さんの軽快な語り口で、おもしろくすいすい読めましたが、ところどころ深いなあ~と思う部分もありました。私、真綾さんと同年代なのですが、こんないろんな経験もしてないし、薄っぺらいぜ自分・・・。とちょっと落ち込みました・・・。まあ、私の話はどうでもいいんだ・・・。真綾さんは、もっといろんな経験をされて、それを糧として、これからも素晴らしい音楽を作りつづけていくのだと思います。ますますのご活躍を楽しみにしております!


「ループする世界。
 終わりがないという、救いと厳しさ。
 どこまでいっても自分は自分であるという、喜びといらだち。
 怖気づくこともあるけれど、きっと大丈夫。波は荒れたり、穏やかだったり、いろいろな表情を見せるけれど、ふと風が止まる瞬間が訪れる。そしてもういちどこの美しい世界を信じる勇気をくれる。
 何度でも、何度でも。」


「第2図書係補佐」

又吉直樹/幻冬舎

お笑い界きっての本読み、ピース又吉が尾崎放哉、太宰治、江戸川乱歩などの作品紹介を通して自身を綴る、胸を揺さぶられるパーソナル・エッセイ集。巻末には芥川賞作家・中村文則氏との対談も収載。

新年1発目はこれで!
最近はロッチを良く見かけますが、私はピースの又吉さんが好きです。・・・綾部?綾部は胸毛の衝撃がすごかったからな・・・。まあ、ビジュアルも断然又吉さんの方がカッコイイけどねっ!これ、意外に結構賛同者がいるんですよ。実は文学青年っていうのを半年前くらいに知りまして(遅い)、すごいなーと尊敬の眼差しもプラスされました。私のお気に入りの芸人さんです。ちなみに、私の中で今最も熱いのは黒沢かずこさん(森三中)です。
書評や本の紹介ではなく、読書を通じて連想したことや思い出などが主なので、本の中身についての話はほとんどありません。が、又吉ファンにとっては、非常におもろい本でした。ファンの人もそうでない人も、ぜひ!
選書のセンスも、通って感じがします。読んだことがあるのが、えーと・・・、よん、さつ・・・。自分が読書家じゃないってわかっててもがっくりするわー。太宰好きとしても知られている又吉さん。走れメロスは好きだけど、何か鬱になりそうでこわいんだよなあ。10代のころ、そう思った作品や、とっつきにくくて読むのをやめてしまった作品を、今読んだら意外にすっと読めるのかなとまたチャレンジしてみたい気持ちになりました。
エピソードはどれもおもしろくて、思わず笑ってしまうようなものばかりなのだけれど、特に好きだったのは「万延元年のフットボール」の回のおばあちゃん。自分の言ったこと、忘れるよね・・・。又吉さんの文才がうらやましいです。おもしろおかしく本を紹介してみたいよう!
ピースの漫才を最近みかけないのは残念ですが、これからもマルチに活躍していただきたいです!


賀正

あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。

去年は色々と考えさせられました。
背伸びしすぎて、体のことを後回しにしてきたツケがまわってきたんやなあと思いました。かなりショックを受けたし、不安で悲しかった。
今も副作用がこわいです。ぶるぶる・・・。
そのせいか、年のせいか(笑)、涙もろくなって困ったものです。

今年は、自分の体を一番大事にして、本を思う存分読んで、映画も観て、色んなところに旅行に行きたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

「“文学少女”と慟哭の巡礼者」

野村美月/エンターブレイン

突然ななせが入院したと聞き、見舞いに行った心葉は、片時も忘れたことのなかったひとりの少女と再会する。過去と変わらず微笑む少女。しかし彼女を中心として、心葉と周囲の人達との絆は大きく軋み始める。一体何が真実なのか。彼女は何を願っているのか・・・。

こちらも久しぶりにシリーズ再読を始めた“文学少女”ですー。
とうとう真打ちの美羽さん登場!少しずつ前向きになっていた心葉を、またもや翻弄してめっためたに打ちのめします。ななせさんは、ただ単に意地っぱりなだけで、本当はピュアな女子なんだけど、美羽さんはスゴイねー。小悪魔だねー。と感心してました。悔しいが、こういう女の子に振り回されたい男子は多いんだろうなあ。まあ、振り回すにも容姿がかわいくなきゃ誰も振り回されてくれないっていうか、結局美人が得なように世の中できてるっていうか・・・。・・・。へこむわー・・・。
ここで、芥川くんと美羽の関係も明らかになります。友達が実は・・・というのは、結構きついと思います。芥川くんと心葉の教室での殴りあいはびっくりした!「あいつは、ただの女なんだ!(うろ覚え)」とか、高校生の会話ですかっ!?今まで、彼らは私と同じちょっと地味な方の高校生だと思ってたんよ。・・・もうね、衝撃・・・。
今回のモチーフは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。ジョバンニとカムラパネルラという名前は誰もがおなじみだと思います。しかしながら、私は銀河鉄道の夜を全部読んだことがないのです。全部読んだことがあるのは、注文の多い料理店だけなのです。風の又三郎もリタイアしたなー。あの、独特のオノマトペを始め、少し読みにくかったのかなあ。しかし、遠子先輩が語る銀河鉄道の夜は美しくて、悲しくて・・・。また、チャレンジしてみたくなりました。
心葉と美羽の、長い苦しみにも一応決着が着きました。美羽も、満たされない寂しさを抱えて必死だったんだとは思いますが、それにしても色々やりすぎだろう、とツッコミたくなりました。まあ、心葉がいいんだったら、いいんだろうけど・・・。私だったら許せないなあ。ななせさんとの殴り合いはスカッとした!心葉とななせさんとの距離が縮まりすぎて、遠子先輩は~?と心配になります。本命は遠子先輩ではなかったの!?ああ、でも胸の大きさでは勝ち目がないし・・・っていうか、受験、受験はどうなるの!?