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読書の記録です。

「自分がイヤにならねえか?」

秋田禎信/富士見書房

マギー家の長女・ドロシー登場!の第6巻。

うわー、ためこんでしまった・・・。もう少しで無謀編も読破できそうな予感。よっしゃー。
「ガキのつかいじゃねえんだぜ!」ドロシー・マギー・ハウザー、待望の登場編。コギーとボニーがボケの人種に入るとすれば、ドギーはツッコミ人種だと思う。まあ、コギーに比べればちゃんとした(?)仕事してますよね。ハウザーを評してぬるぬる酢イカ野郎とは、うまいこと言うなあ、お父様。ハミジフタマタトカゲが気になる。なるなる。
「二度とここには顔出すな!」コケモモ様の回。邪教崇拝部という同好会が認められるとは、トトカンタ市の懐の広さが窺い知れますな。このまま、魔王オーフェンとして新興宗教の教祖になっちゃうのもいいんじゃないの?お布施集まるし、お金に困らないし。笑。
「自分がイヤにならねえか?」世界の終わりかあるいは魔王復活のキーワードを耳にした、キースのリアクションが素晴らしい!草河さんグッジョブ!「ハンドベルを並べた病室で、男性が角笛を使って水を飲むことは、目の前にいる女性の人生を保証することを意味し、対して女性は、オーケイならばバイオリンを弾く素振りを見せながら、その実その弦で己の頚動脈を切断、その血痕を相手の身体の七か所以上につけなければならない」・・・って、マギー家の習わしって・・・?しかも女性の方が命がけ。笑。
「細かいことは気にするな!」地人兄弟、またうさんくさそうなことを始めるの回。地人兄弟がからむと、いつもドタバタしているうちに終わっている印象が・・・。新しいお洋服を我慢してまで、殺戮の魔剣を買うコギー・・・。お前は、乙女ではないっ!(びし!)
「超人たちの憂鬱」プレオーフェン・憂愁編。なんだかシリアスなお話でした。マリア教師目線からのアプローチ。ミステリアスな男ほど女心をくすぐるんですかね。チャイルドマンネットワークとゴーストは、いまいち良く分かっていない項目でして、ふ~ん?とちょっと流してしまいました。


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「トーマの心臓」

森博嗣/メディアファクトリー

ユーリに手紙を残して死んだトーマという美しい下級生。ユーリを慕っていたという彼は、なぜ死を選んだのか。愛と孤独、生と死に苦悩する若者の内面を森博嗣的世界観で描いた傑作。

萩尾望都さん原作のコミックを、森さんが小説化。と、話題になっていたので気になって、原作を知らないまま読みました。読み終えて、世界観やいろいろなことが、ニュアンス?でぼかされていて、原作を知っていたほうが良かったかな?という感想が一瞬頭をよぎりましたが・・・。たぶん、この先も読まないだろうジャンルなので、結局いつ読んでも一緒か、という結論に落ち着きました。
全寮制の男子校が舞台・・・というだけで、なんだか禁断のかほりを感じる私。笑。特にBL好きではないのですが・・・。舞台は日本(だけど、原作では海外?)。主人公・オスカーはハーフで、他は日本人、呼び名はニックネームという設定。ある日、ユーリに思いを寄せていた後輩のトーマが死ぬ。その後、トーマと瓜ふたつの転校生、エーリクが現れる。トーマはなぜ自ら命を絶ったのか。ユーリに一体何があったのか・・・。ある意味ミステリ仕立てで、透明感漂うこの世のものではないような男子校は雰囲気バッチリでした。この世には、カワイイ男子も確かにいるけれど、男子校って言ったら、ほら、汗とか臭いとかエロ本とかじゃないですか。俗物丸出しっぽいじゃないですか。笑。そーいうのが排除されていて、生徒たちはとってもピュア。潔癖であると言った方がいいかな。潔癖な人間の方が危うい感じがしますよね。なんかポキッと折れちゃいそうな。こんなに波乱万丈な人生だと、人格が歪まないかしら・・・。といらぬ心配をしてしまいました。
理知的な会話は森ワールド全開でした。原作でも理系エリートが通う学校なんでしょうか・・・。理系トークを読んでいると、なんか、全員賢そうに見えるんだよねー。
私は原作を知らないので、トーマの真意とか、エーリクがただのそっくりさんなのか、ユーリの身に何が起こったのか・・・。すべては想像の域を出ません。とにかく純粋な登場人物たちで、BLとか言っちゃいけないのです、きっと。それは性別を超えた人間愛。・・・たまに違う人もいるかも、だけど。
保健室の先生が好きでした。学園モノに、かっこいい大人は必要です。


「結局のところ、他人と理解し合うということ自体に、そもそも無理があるのだ。人間はそれほど単純ではない。友好的でもない。自分に対してでさえ、友好的でないのだから。」


新春

あけましておめでとうございます~。

今年もよろしくぴょんっ★


・・・我ながら、苦しいな・・・。

「難民探偵」

西尾維新/講談社

ネットカフェ在住の元警視庁警視・根深陽義、就職浪人・窓居証子、人気小説家・窓居京樹が京都で発生した殺人事件の謎に挑む。

講談社100周年の書き下ろし企画だそうで。西尾さんの本、久しぶりに読みました。まあ、タイトルに「探偵」ってついてるし、多少はミステリーだろう。ミステリーならば、多少羽目を外していても大丈夫だろう。という打算づくしのチョイス。笑。昔は西尾作品を見かけたら、すぐに飛びついていたのになあ・・・。好みって変わるんだな・・・。(しんみり)
さて、本筋ですが、ちゃんと事件を解決するミステリーでした。西尾さんのはっちゃけたところも抑え気味で、物足りないファンは多かったかな?という感じ。私にとってはちょうど良かったです。ところどころ、語りが入るところは西尾さんだなーと思いましたが。それ以外は予想していたよりは、ソフト。
私としては、もうちょっと事件に比重を置いた方がおもしろかったんじゃないかな・・・と思います。捜査も謎解きもけっこうあっさりで、ちゃんとした手続きを踏襲しているのに、なんかもったいない。それにしても、防犯カメラに靴下が映るファッションってどんなだよ、とツッコミたかった。
主人公(?)の窓居証子の叔父である人気作家・窓居京樹の「作家裏話」とか根深陽義がどうしてネットカフェ難民をしているのかその苦悩とか。持たざる者からすれば、「なんだよその理屈!」となるわけで、非常にイライラした。登場人物がみんな口だけ達者な子供ばかり、という印象で好感の持てる人がいなかったのが残念。残念と言えば、事件が起こるまでの無駄な前フリもいただけない。
この脂身こそが西尾作品の魅力なのだろうけど、年のせいか、あっさりしたものの方がいいんだよねえ・・・。


「鎌かけを外す探偵というのも、実際、珍しい」
そりゃそうだ。笑。


「SPEC Ⅱ」

西荻弓絵・豊田美加/角川書店

捜査を行う当麻と瀬文の前に特殊能力「SPEC」を持つ犯罪者たちが次々現れる。気づかぬうちに2人は、いつしか巨悪の闇に飲み込まれようとしていた・・・。

くそう、表紙が一緒だ・・・!楽しみにしてたのにー。うっかり1巻を買ったら、どう責任を取るつもりだ!
様々な料理と餃子を組み合わせ、餃子の可能性を追求する新感覚料理番組★SPEC!のノベライズ第2弾です。この前、黄金伝説の節約生活で、春日が餃子解体してましたけど、餃子そのまま放りこむ当麻より、かなり繊細だぜ春日!と妙なところで感心してしまった。
ドラマは終盤ですね。次回最終回でしょうか。血を吹いていた課長の運命が一番気になります。なんだかんだで、私課長好きなもんで。雅ちゃ~ん。小説の方は、4話~6話収録となっております。今回もほぼ原作通り。
一番期待していたのは、4話のパーフェクトスーサイドの集団自殺の顛末に関するアレコレなんですが・・・。ドラマに忠実なだけあって、やはりちぐはぐでした。そもそも、生き残って幹事となった人がもう一度メンバーを召集して集団自殺をするならば、自分も中に混じってなければいけないし、なのに逃げ出した人の始末をしなければならないのであれば、幹事っていつまでたっても死ねないんじゃ?と思うのです。どうなんだろ・・・。娘さんがバイクに乗って逃走、というのも違和感がありますし。この話は全体的にどうも納得できず。
SPEC保有者たちが、能力を発動させるときのアクションがあるんですけど、冷泉の「ラミパスラミパス~」がダントツでしたが、海野の回想に出てくる病を治すSPECもおもしろかった。鼻の穴におもっきし指つっこまれるんですよ?病気治して欲しくても、一瞬悩むよね?
あとはー、瀬文と里中が居酒屋で飲むシーンなんかが好きです。回を追うごとに、瀬文カラーが付いてきて、いいなあと思います。あと、餃子のストラップめっちゃかわいいっ!販売してくれないかしら~。
雅ちゃんに別の男の影が・・・!彼女黒いですから、2股くらいじゃ驚かないよっと思ってたら、8話では驚かされました。課長、不憫だ・・・。
ここまできたら、最終巻も買いますけどー。
・・・これ、まとめて1冊でも良くない?


「当麻さん、僕だって生命を救うSPECが欲しかったですよ。ただ、才能ってのは自分が望むものと一致しない」

「神は残酷だ」