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読書の記録です。

「驚愕遊園地」

/光文社

豪華な顔ぶれが揃ったアンソロジー。ボリュームもたっぷりで楽しませていただきました。
「呪いの特売」(赤川次郎)呪いのわら人形がスーパーで特売!この話が読みたかったので、この本を借りました。笑。この設定、めっちゃ良くないですか?赤川さんのミステリーは本当に久しぶりです。シンプルで、わかりやすいところが短編に生かされているなと思いました。でも、なぜか長編には手が伸びない・・・。
「黒い密室ー続・薔薇荘殺人事件」(芦辺拓)何かのシリーズものの一部なのでしょうか。設定が飲み込めないまま終わってしまいました・・・。謎だけで手一杯なのに、解決する側でもごちゃごちゃされてもなー。
「四分間では短すぎる」(有栖川有栖)これ読むの3回目くらいなんですけど。やっぱりアリスと一緒に先輩方に騙されてしまいました!笑。このタイミングであのニュースを見たら、そう思っちゃいますよね・・・。多少無理があっても、会話の断片から色々な可能性を考えていくのは楽しい。社交ダンスのインストラクター説の続きも気になります。
「梟のシエスタ」(伊与原新)ミステリーって感じがしなかったなあ。アカハラ(アカデミック・ハラスメント)大学教授を追い出した話。うーん、あんまり印象に残りませんでした。
「君の歌」(大崎梢)自作自演、そんなことだろうと思ったよう。大崎さんといえば、本屋さんのイメージが強いですが、本屋さん以外の話は・・・ちょっと合わないのかな・・・。
「思い違い」(恩田陸)読むのは2回目・・・。「私と踊って」は、消化不良の作品が多く、これも未完成の印象が強かったです。もっとブラッシュアップできそうなんだけどなー。
「カミソリ狐」(大門剛明)探偵クイズ大会。笑。設定をそのままのみこめれば楽しめる作品では?と思います。まあ、お姉さんが一枚かんでるとは思ってましたよ。なんせ、お姉さんですから!無関係なはずがない!
「美弥谷団地の逃亡者」(辻村深月)2回読んでも、やっぱり二人ともアホやと思う。あまり好きではない作品・・・。
「呻き淵」(鳥飼否宇)まさかのオオサンショウウオ・・・。確かに、のっぺらぼうに見えんことはないかもしれないが・・・。オオサンショウオかあ・・・。
「対の住処」(西澤保彦)おうち選びは大事だけど、それが殺人の動機になるなんて!という話。最後のあとをひく終わり方はよろしいと思います。ちょこちょこ挟まれる主人公の家族の話はなんだ?シリーズものなのか?単発で読む人にとっては、中途半端な情報はどうでもいい・・・。
「シレネッタの丘」(初野晴)「アマラとカマラの丘」はファンタジーっぽい話かと思ってたけど、この作品を読む限りではミステリーのようですね。天才インコと障害を持つ青年の間に、本当に愛が芽生えたのかな・・・。連作として全体を読んでみたいです。
「烏賊神家の一族の殺人」(東川篤哉)意外にも一番おもしろかったのがこれ。ミステリとしてどうかは置いておいて。笑。テンポが良く、鵜飼探偵にも馴染みがあったせいか、スイスイ読めました。大家さんも登場してますね!やっぱり、他のも読んでみないとな~。しかも、着ぐるみの中身は酒屋のお嬢さんだったとは・・・!これが驚かずにいられマイカ。(←コレ難しい。笑。)
「クリスマスミステリ」(東野圭吾)東野さんっぽくない雰囲気。ちゃんと、死んだかどうか確認しなくていいの?と思っていたらの、あのオチ。女は切り替えると次へ行くのが早いんですけどね。切り替えに失敗するとこんなことになっちゃうのかなーと思いました。珍しく、ちゃんと男女の機微が描かれている。まあ、私がエラそうなこと言える立場じゃないんですが。笑。
「おみくじと紙切れ」(麻耶雄嵩)てっきり神様シリーズかなと思っていたら、名探偵木更津のシリーズでした。もう、木更津のカケラも覚えちゃいませんでした。凶器がおみくじ入れであるところに、少し変態臭さを感じてホッとする私。
「913」(米澤穂信)図書委員は分類番号を知っているのか!私は、司書の資格を取る時に知ったもんで・・・。爽健美茶をあっためて出すか?という疑問点は残りますが、先輩一家の裏の顔が暴かれるところは面白かったです。ほんと、開かずの金庫から金目のものは出てこないって、マーフィーの法則ですから!(←ウソ)


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「ヒア・カムズ・ザ・サン」

有川浩/新潮社

真也は出版社で編集の仕事をしている。彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた・・・。

サイコメトラーEIJIを思い出しちゃうなー。
主人公の真也は、ものに触れるとものに宿った記憶や感情を見る能力を持っている。他人にはばれないように、かつ、人付き合いにさりげなく利用しながら、能力と上手く折り合ってきたつもりだった。しかし、真也は編集の仕事に就き、同僚のカオルの仕事に対する姿勢に打ちのめされる。人の気持ちを盗み見ることで、作家との衝突を避けている自分は、ズルをしているのではないか、と・・・。
劇団キャラメルボックスとの交流の中で生まれた作品。本編とアナザーストーリー?のような2編が入っています。
本編は、真也とカオルは好意を寄せる同僚という関係。カオルの父親はアメリカで活躍する脚本家・HAL。父親は仕事一筋で、家族をかえりみることがなかった。渡米を期に両親は離婚。カオルは父親に大きな反発を感じている。20年後、HALが帰国する。・・・が、彼の正体はHALではなかった・・・。一方、アナザーストーリーは、真也とカオルは付き合って3年。そろそろ結婚を考えている関係。カオルの父親は、同じく脚本家という設定。しかし、こちらは一気に弱弱しくなって(笑)、日本では芽が出ず、無謀にもアメリカに賭けて渡米したはいいものの、やっぱり鳴かず飛ばず。でも、対外的には活躍してるって見栄を張ってしまう親父になっています。
アナザーストーリーの方が、有川さんっぽい感じがします。恋愛要素とか、ダメな父親とか・・・。私は一途な榊さんが好きなので、本編の方が好きです。何か、健気ですよね。報われるといいんですが・・・。HALの正体は?というくだりは、ミステリーっぽくてわくわくしました。あとは、ヒロインのカオルが真っ直ぐで、悩みがあっても頑張ってて、かっこいい・・・んだけど、なぜかそんなに好きになれませんでした。真也もかなあ。能力について悩む部分も「ふーん」で終わりました。笑。うーん、ありきたりなキャラクターにありがちな話だったせいかな?
結局パラレルワールドっていっても、登場人物の造形を少しいじっただけで、大筋(主人公が彼女の父親との仲を修復させる)は同じです。なぜ、似たような話をもう一回読まなければならないのか?という不満が残りました。それなら、ボリュームを増やして長編1本か、お得意のスピンオフ、または全く別物の中篇1本にしたほうが絶対良かったと思います。


「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

東野圭吾/角川書店

あらゆる悩みの相談に乗る、不思議な雑貨店。しかしその正体は・・・。物語が完結するとき、人知を超えた真実が明らかになる。すべての人に捧げる、心ふるわす物語。

連作短編集です。ナミヤ雑貨店を舞台に30年前と現在がつながる。
家族のカタチについての話は、身につまされるものも多く、改めて東野さんは、家族の話を書くのがお上手だなと思いました。
「回答は牛乳箱に」始まりは現在。3人の若者は空き巣犯で、警察から逃れるために廃屋に逃げ込む。すると、牛乳箱に何かが落ちる音が聞こえる。そこには、悩み相談の手紙があった。残された当時の週刊誌などから、どうやらこの廃屋は、一時期ブームになった悩み相談を受ける雑貨店「ナミヤ雑貨店」であることが判明する。悩み相談のやり取りをするうち、相談者は現代ではなく30年前の人物ではないか・・・ということに気付いた3人。夜明けまでここにとどまって、成り行きを見守ることにする。廃屋の中と、過去の時間の流れは違うとかSFの要素もありつつ。物語のプロローグのような感じです。「恋人と○○とどっちをとったらいいでしょうか~」なんて相談は、私にとっては腹立たしくて仕方ありません。(うらやましいから)あのさあ、どっちが大事かなんて、そんなの自分で決めろよ!
「夜更けにハーモニカを」ここから視点が変わります。魚屋の長男である主人公は、家業を継がずに、大学を中退し、東京でミュージシャンを目指す青年。しかし、一向に芽が出ず、実家からも足が遠のいてた。祖母の葬儀を機に実家に帰った彼は、父親の体調が悪いことを知らされる。夢を追いかけるか、家業を継ぐか。迷った末、ナミヤ雑貨店に相談の手紙を出すが・・・。魚屋ミュージシャンの話は一番好きです。自分も今、両親に迷惑をかけているので、身につまされました。好きなことやれって、親は言ってくれるけど、きっと本心では早く結婚して孫の顔を見せて欲しいんだろうなとか・・・考えますもん!すごいなあ、親の愛。そして、魚屋ミュージシャンの最期にも感動しました。
「シビックで朝まで」ナミヤ雑貨店の店主、浪矢さん一族の話。ほんの遊び心から始めた悩み相談に、だんだん真剣な相談が混ざるようになった。ナミヤさんは死期が近づいた頃に「自分の回答は果たして正しかったのか?」と疑問を抱くようになる。これが、ナミヤ雑貨店一夜限りの復活につながっていたのだ・・・。クラスメイトに関する問題を出題・・・。こんなの成功するわけねーじゃん!とクラスでは底辺だった私は思います。あの人たち、私らのことなんか邪魔やと思ってますもん・・・。
「黙祷はビートルズで」少年は夜逃げの最中に逃げ出した。ナミヤ雑貨店のアドバイスを無視して・・・。新しい人生を手に入れた少年は、やがて青年になり、木彫り職人になる。入っていた児童擁護施設「丸光園」が火事になったと聞き、駆けつけた青年はある女性と会う。うーん、上手く行き過ぎてなんだかなあ・・・。全体的にいえることですけど、ナミヤさんのアドバイス通りにして良かったっていうのは、すべて結果論ですから・・・。従わないっていう選択を書いたところまでは良かったんですけど、最終的にナミヤさんに花を持たせるのはどうかなと思いました。
「空の上から祈りを」事務員の女性は、掛け持ちの水商売の仕事で独立したいと考えていた。援助してくれるという男性もいる。この相談を受けたナミヤ雑貨店にいる3人は、彼女を思いとどませるため、投資のアドバイスをする。結果的に、彼女が道を誤らなかったのは良いことだと思います。しかし、未来のことを教えた結果、彼女は大金を手にするわけで、そこまで過剰な成功をアシストする必要があったのかな?と思います。経済の勉強をした結果、彼女が成功したという話なら納得です。だけど、これはズルですから。私はズルは嫌いです。実はこの3人も「丸光園」の出身で・・・というできすぎた展開には、そこまで関連性を持たせる意味ってあるのかな?と思いました。
いい話なんですけど、後半のあざとさが目に付きました。


「いつも彼らはどこかに」

小川洋子/新潮社

たてがみはたっぷりとして瑞々しく、温かいーディープインパクトの凱旋門賞への旅に帯同することになる一頭の馬、森の彼方此方に不思議な気配を残すビーバー、村のシンボルの兎、美しいティアーズラインを持つチーター、万華鏡のように発色する蝸牛。人の孤独を包み込むかのような気高い動物たちの美しさ、優しさを、新鮮な物語に描く小説集。

動物が主人公かと思っていたので、動物の一人称で物語が進むと勝手に思ってました。登場する生き物たちが物語のモチーフになっているので、主人公といえば主人公ですけど。
「帯同馬」スーパーで試食係をする女といつも試食を食べにくる老女。2人は海苔巻きをきっかけに少し接近するが・・・。遠くへ行ったら帰ってこれないのではないかという恐怖感。ディープインパクトに帯同馬がついたように、彼女にも寄り添ってくれる人が現れたらいいのになあ。あのおばあちゃん、絶対現れないよね・・・。
「ビーバーの小枝」ある翻訳家は亡くなった作家の家を訪れる。手紙での交流はあったが、現地を訪れるのは初めて。作家の息子とその恋人にもてなされ、生前の彼に思いを馳せる。プレゼントにビーバーの頭蓋骨はちょっと・・・ですが、ビーバーの小枝は欲しいです。笑。ビーバー、いいですよねえ。生まれ変わりたい動物BEST5に入ります。無心にダム作りたいですよねえ・・・。
「ハモニカ兎」ある村では、イベントが決まるとカウントダウンのために、ハモニカ兎の銅像に日めくりカレンダーを設置する。代々喫茶店の主人が、カレンダーをめくる役割を果たしてきた。今回は、オリンピックの1種目が村で開かれることになったため、オリンピックの開会式までの日数をカウントする。村で行われる競技が意味不明で、村人も試合を見学したり、競技の説明書を理解しようとするんだけど、やっぱり意味不明。笑。最後には、開会式の日を間違えるという・・・。誰か気付こうよ!無事に競技が行われるといいんですが。
「目隠しされた小鷺」美術館の受付に勤務する女性。美術館には、修理屋のおじさんが訪れるが、彼は目当ての一枚以外は目を閉じて通りすぎるのだ。女性は、彼のために目隠しをプレゼントする。ゆったりと時間が流れていって、最後の鷺救出のくだりは気が抜けてしまった。
「愛犬ベネディクト」僕は妹が盲腸で入院中、ベネディクトの世話を頼まれる。ベネディクトは、ドールハウスの中にいるミニチュアの犬の置物だ。私はこの話が一番好きでした。ドールハウスが好きなので、小物のひとつひとつにうっとりしながら読みました。ミニチュアサイズの手作りの本、素敵です。ベネディクトが、まるで本当に生きているかのように感じられる。妹さんはちゃんと帰ってくるのだろうかと不安になりながらも、早く帰ってきてあげてねと祈ることしかできない。
「チーター準備中」動物園の中の土産物売り場で働く女は、チーターの綴りに含まれている「h」に強く惹かれる。この人がなくした「h」ってなんなんだろう?売店の正面にある授乳室に思うところがあるみたいなので、おそらく赤ちゃんなのかな・・・と思ったのですが・・・。
「断食蝸牛」病気の療養のため、施設に入所している女は、風車の管理人の男とと知り合い、通いつめるようになる。男は水槽でカタツムリを飼っていて、女は虹色に光るカタツムリを見つけ、男にプレゼントしようとする。男が何を考えているのかわからなくて、三角関係なのかなんなのか・・・。カタツムリパンを食べるくだりは、怪しかったです。食べているのは、カタツムリパンなのに・・・。
「竜の子幼稚園」女は、本人に代わって旅をする仕事をしている。首からさげたガラスには、依頼人の思い出の品や人形が納められている。女の弟は、幼少期に亡くなっているが、そのことが彼女に今もトラウマを与えつづけている。旅の途中で同じ仕事をしている男と出会う。彼は、ガラスの中でタツノオトシゴを連れていた。本人の代わりに旅行をする・・・っていう仕事、今流行ってるらしいですね。弟の死の呪縛(?)から自由になったようなラストは、すがすがしい。
穏やかで優しいと見せかけて、突然冷たく突き放されるような物語。小川さんの物語は、やはりクールだ。


「ソロモンの偽証」

宮部みゆき/新潮社

クリスマスの朝、校庭に降り積もる雪の中から1人の生徒の死体が発見される。当初は自殺だと思われたが、噂がひとり歩きし始めた頃、1通の告発状がこれは殺人だと告発する。噂やワイドショーの報道に振り回される生徒たち。もう、大人たちには任せておけない。真実を明らかにするため、生徒たちは立ち上がる。

3部作構成で、合計約2100ページの超大作。宮部さんの本って、ぶっといのが普通みたいになってますよね。「理由」を初めて読んだときは、「なんてくどい本なんだ!」とびっくりしましたが、だんだんくどさに慣れました。そんなわけで、構えてたほどひっかからずに読めました。
話の内容も、中学生の自殺の真相を突き止めるというシンプルなものに、まわりの人間模様を肉付けしたもので複雑ではありません。
1990年・バブル期の終盤の日本が舞台です。なぜに20年前?と思ったのですが、携帯電話とネットの普及の影響を排除するためかなと思いました。携帯の通話記録を調べたら、一発で真相わかっちゃいますもんね。笑。ネットがあれば、図書館で調べ物する必要ないし・・・。特に野田くんのやばい調べ物。
自殺した柏木卓也は、クラスでも浮いた存在だった。不良たちと衝突してからは、自殺するまで不登校の状態が続いていたが、クラスメイトが彼のことを気にかけることはなかった。しかし、彼の死は殺人であるという告発状の存在が明らかになり、状況は一変する。もうひとりのクラスメイトの死。事故。放火事件。学校の秩序が乱されていく。クラス委員の藤野涼子は、進級と同時に当時のクラスメイトに学校内裁判を開くことを提案する。紆余曲折の末、メンバーが決まり、開廷に向けて準備が進められる。開廷は夏休みの5日間。涼子は検事として、弁護役は柏木卓也と塾で接点があったという他校の生徒、神原和彦が務めることになった。そして開廷。被告人は、フダ付きのワル・大出俊二。証人は大人から中学生まで、様々な人が事件について証言する。そして裁判は、最終的にある人物の嘘を暴きだす。
この偽証っていうのは、三宅樹里のことかなと思っていたんですが・・・。もっと全体的な、学校とか社会とか、そういうものの嘘を指しているようです。神原君が一枚かんでるのは、想像がつくけど、こんな核心部分にいたとは・・・。俊二が怒るのも無理ないよな、と思いました。話は戻りますけど、樹里が思いの他糾弾されなかったのが意外。ある意味、彼女も被害者ではあるのですが、松子が亡くなったあたりの心理描写は結構えげつなかったようなー。神原君が早くゲロしなかったのが一番の原因だけど、それに乗っかったのも十分悪いやんと思います。
なぜ、生きなければいけないのか?こんなに退屈な世の中で生きる意味ってなんなの?
非常に難しい問いですが、柏木君の真の悩みはここにはなかったんじゃないかと思います。彼は孤独だった。本当は友達が欲しかった。特別な存在になりたかった。だけど、誰も見向きもしてくれなかった。退屈な世の中。だけど、本当に退屈なのは自分なんじゃないか?柏木君は怖かったんだなあ。人間関係に飛び込んで傷つくのも、特別じゃない自分を再確認するのも。
たった一人の友達が自分のもとを去ろうとしている。寂しくて絶望して、そして飛び降りた・・・のかな?と想像していました。まあ動機はどうであれ、柏木君の言動はひどいものだし、自殺だってするべきではなかった。生きてる以上、人間いつかは死ぬんだから、そんなに慌てて死ななくってもいいじゃない。って、おばちゃんは思いますよ。
・・・ある程度の真相は掴めたけど、結局、クラスメイトは自分の自己満足だけで(やりとげたぞ!っていう)、柏木君の心の闇に思いを馳せた人っているのかな。自業自得とはいえ、ネタにされただけの柏木君もかわいそうな気がする。
途中までカッコ良かったんですけどね、藤野検事。最後はピエロでしたね・・・。エピローグの健一の20年後とか蛇足やん!と思いました。もったいない・・・。