忍者ブログ
読書の記録です。

「春期限定イチゴタルト事件」

米澤穂信/東京創元社

小鳩くんと小佐内さんは、互恵関係にある高校1年生。清く慎ましい小市民を目指す2人の前に、次々に現れる奇妙な謎。果たして2人は小市民の星を掴み取ることができるのか?

・・・いちごタルト好きなんです。だから買ったんですが何か?
小市民を目指しているわりに、こらえ性のない主人公。ほんとに小市民になる気があるのか。無いだろ。そんな感じで中・高校生世代の自意識過剰さや不安定なところが、全体に良く出ていました。
「For your eyes only」と「おいしいココアの作り方」のエピソードが好きです。特に、ココアの方は発想と着地点がおもしろい。小佐内さんの2面性がいい味を出しています。外見イメージは「ハチクロ」のはぐちゃん。髪型違うけど。小鳩くんの過去の事件が気になるところ。
残念なのは解説文。最後にこれを読んで、いろいろと台無しになった気分です。こんな解説ならいらない。蛇足です。


PR

「悪夢はダブルでやってくる」

浅暮三文/小学館

あなたがマーケットで買ってきたカンヅメを開けると「ポン」という音とともに、魔法使いが出現した。望みを叶えると言い張る魔法使いと、意地でも魔法使いの言うことを聞かないあなた。そして、逃走は世界を駆け巡る。

思惑外れてファンタジーでした。
しかし、いい意味で裏切られて良かった。色んなところで小ワザが効いてます。
もうね、「自分が餃子だったら・・・。」でわしづかみにされました。
カンヅメに閉じ込められる呪いというのもかわいいではないですか!
もういい加減望みを言っちゃえば、解放されるのに~。とやきもきしていた私ですが、ラストにはちょっとびっくり。ハッピーエンドと言えば、ハッピーエンド・・・なのでしょうか・・・。ちょっと判断がつきかねます。
遊び心あふれた一冊。気分転換に、ちょっとチャレンジしてみませんか?



「カレイドスコープ島」

霧舎巧/講談社

八丈島沖に密やかに寄り添い浮かぶ月島と竹取島。昏く謎めいた因習に呪縛されたこの島を《あかずの扉》研究会メンバーが訪れた時、惨劇の万華鏡はきらめき始めた。

携帯の着信音の設定できないのかよー!?
一番のツッコミ所です。そんな現代っこはいないと思うけどー。
今回もわりと人が死にますよ!(爽やか)犯人は不自然に出番が多いあの人だ!これはネタバレなのかな・・・?
相変わらずワトスンの仮定とそれを覆す名探偵の推理。そこまで否定しなくても、と思うことしばしば。なんかこのやり取りが多すぎて、本題のトリックがいまいちパッとしません。全体的にごちゃごちゃしていて、読んでて気分は良くなかった。そして、くだらない動機。いやー、久しぶりのくだらない動機。
あと、咲さんの超能力って正直必要ないような気がするんですけどー・・・。


「夏の名残りの薔薇」

恩田陸/文芸春秋

沢渡三姉妹主催の豪華なパーティーが行われる山奥のホテル。そこで次々と起こった関係者らの変死事件は、はたして真実か幻か・・・。

死んだはずの人物が、次節では生きているという展開にどう対処していいものか困りました。とりあえずパターンをつかめば、後は同じ展開が続くので慣れます。最後の展開がいかがなものかと。いきなり実は誰が死んでて誰が黒幕かと言われてもー。そんなの知らないヨー。
さすが恩田さん、したたかな女性を書くのがお上手です。
頻繁にはさまれる「去年マリエンバートで」。最初かなりいい加減に読んでましたが、これが物語のモチーフでして、この作品のイメージをわかりやすくしています。うーん、細かい事は気にせずに雰囲気を楽しみましょう!(←つまりは自分も良くわかっていない。)


「シャンク!!ザ・ロードストーリーvol.1」

秋田禎信/角川書店

戦闘のさなか、ブリアンとはぐれてしまったシャンク。呪いによってどむーん、ベロとも離ればなれに。シャンクはたった一人で古木の謎に立ち向かう。

レイトストーリーvol.1しか読んでないのです。しかも2年前くらいに。vol.2を買おうと思ったら売り切れてたんですー。だから話についていけなくてもしかたがないんですー。思わせぶりなセリフやらなんやらは出てくるのですが・・・。果たして一体どういう意味なのか。
シャンク1人ということで、脇キャラ好きの私としては物足りなかった。レイトストーリーのようなコミカルさが無くて残念。それを期待して読んでいたんですが。
ブリアンのいじらしさが好きです。かわいい。
挿絵が変わったように思うのですが・・・。これもよくわからない。