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読書の記録です。

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「ほうかご探偵隊」

倉知淳/講談社

ぼくの縦笛の真ん中の部分だけがなくなった。クラスに関係ある「あってもなくても構わない」ものが無くなる事件の被害にあったようだ。なんだかすっきりしないぼくは、龍之介、吉野、成見沢とともに4人で探偵活動を開始する。

やっぱり探偵団ものになってしまうんですかね、どうしても。
たまには違うスタイルも読みたいです。
が、これは、お子さまたちが楽しめるであろう本だと思います。
聞き込み、現場検証がちょっとだれてしまいましたが、暗号解読、それに2転3転する推理はおもしろかった。ニワトリ死亡説はそれはそれで好きですけど。
龍之介君はやはり猫○先輩の親戚だけあって、言動がそっくりです。平気でホラを吹いたり、にんまり笑ったり。でも、あんな大人になっちゃいかんよ!笑。
本は、何歳になっても私にどきどきわくわくを感じさせてくれるものです。
最近は本を読む子供が少ないと言いますが、強制される読書ほどつまらないものは無いし、感受性や表現力を養う為に読書をしましょうというのも、何か違う気がする。代償を求める時点で、最早それは趣味にはなりえないし。そういう大人の思惑なんかぶっとばして、ただ本を読むのが楽しい、だから大好き、というお子様たちが増えればいいなあと思いました。あれ、後半語りになっちゃいましたね。


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「ダブ(エ)ストン街道」

浅暮三文/講談社

考古学者のケンは、夢遊病の恋人タニヤを探す旅の途中、嵐の海で遭難して謎の大陸ダブ(エ)ストン大陸に漂着する。タニヤから届いた手紙はここから出されたものだった。奇妙な大陸での旅が始まる。

最後が近づいてくるにつれ、実はこの話全部がケンの見ている幻なのでは・・・と思ったりもしましたが、ここは素直に彼が本当にダブ(エ)ストンにたどり着いたという解釈を取りたいと思います。
各話扉のダブ(エ)ストン豆知識が素敵です。ダブ(エ)ストンには色々変わった風習がありますが、基本は原始的。とてもシンプル。壁が無いのは困ります!
アップルとサンタさんがかわいそう・・・。巻き添え・・・。
「すべての道は迷路なのだ。・・・、迷い続けること、靴に穴を作り続けることは、こんなにも楽しいのだから。」
そんなお話です。人生は長い旅路で、我々は皆旅人であると、そんな感じかな?

「ダベットン、キュウ?」
ダブ(エ)ストンツバメがかわいいー。キュウ!キュウ!


「Q&A」

恩田陸/幻冬舎

都内郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生するが事故原因が特定されないまま月日はたってゆく。次々に招喚される大量の被害者、目撃者。しかし食い違う証言。はたしてこれは事故なのか、事件なのか?

質問と答えのみで構成されているという宣伝文句。何かおもしろい仕掛けがあるのかと思いきや、そんなこともなく。普通のスタイルの方が、恩田さんらしい情緒が出て良かったのではないかと思います。大体、質問っていうよりただの会話。そんな長文一人で喋れんて。橋田壽賀子ですか。
事件の真相はぼやけたまま。別に真相なんざぼやけたままでもいいんですが、何かひとつ筋の通ったものが無いと読んでいてもおもしろくない。
一体何が書きたかったのか。悪意?警告?混乱?恐怖?
どれも違うような気がする。うーん、本当につまらなかった。がっかり・・・。


「煉獄のエスクード」

貴子潤一郎/富士見書房

退魔の妖剣ブラディミールに選ばれてしまった少年、深津薫は、教皇庁の影の組織エスクードの一員となり、扉を封印する力を持つ少女「レディ・キィ」の護衛の任務につくことになる。

魔道具や魔術がいい感じに物語を盛り上げています。やっぱりいわくつきの剣ってときめきますよね!キャラもみんな魅力的です。特にレイニー姉さんと真澄兄さん、パンクに変態ロードが好き。
今まで日の当たる道を歩いていた彼は、突然日陰というか地下道を歩むことになるのですが、彼は全く今までの自分を取り巻く環境に未練を感じていない印象を受けます。えらい淡白だなあと。まあ、途中で学校の回想シーンが入っても萎えるので、これはこれで良かったんでしょう。
本を読んでいながらにして、映画を見ているような気分になりました。ちょっと官能的表現も見受けられますが、それも雰囲気にマッチしています。洋画だとお約束みたいなもんだし。
またもやネズミーランドネタが。ネズミ好き・・・?私はアヒル派です!
そして、絵師のともぞさん。「12月のベロニカ」では、挿絵があまりにもお粗末で思わず吹いてしまいましたが、「眠り姫」以降じわじわと上達されているようで、喜ばしい限りです。真澄兄さんがステキ。あの目がステッキー。

久しぶりに楽しみなシリーズが増えました。ひっそりとブログの片隅で応援しています。
2巻でこのおもしろさが損なわれていないことを祈っております・・・!
長くなってしまいました。愛ゆえに。


「さまよう刃」

東野圭吾/朝日新聞社

蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。遺族に裁く権利はあるのか? 社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?

うーん、難しいテーマです。ちょっと過激な発言をさせていただくと、私は未成年だろうが、何歳だろうが刑事罰を与えるべきだと思っています。年齢ではなく、何を犯したかを問うべきだと。守るべきは被害者か加害者か。大人が思うよりも、子供はずっとずる賢く、したたかであるとまだ気付いていないフリをしているのです。
あのようなケダモノが、人間としてのうのうと生きるなんて確かに許せない。死んで当然。殺されても同情の余地などない。
ただ、もし自分が彼だったら。自分は人を殺せるだろうか。それは正義なのか。
本の中で、何も答えが出なかったのと同じように、私の答えも出ないままです。
こんな葛藤を現実に味わう人が少しでもいなくなるように祈るばかりです。