忍者ブログ
読書の記録です。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「薬屋のひとりごと 10」

日向夏/主婦の友社

無事に西都に到着した猫猫。農村部を視察するために連れて来られた羅半兄とともに農村へ行くことに。そこでかつて起こった大蝗害の生き残りの老人と出会う。
また、西都の滞在先では妖怪である「飛頭蛮」が出るとの噂がはびこっていた。

意外に続けて読んでいる薬屋シリーズ。
図書館で借りているので、まとめ読みというわけにいかず、一定の期間があくので登場人物うろ覚えです。今回は、馬の一族がたくさん出てきたんですが、女性はキャラが濃いので覚えやすいんですが、男性がどうも覚えられん。混ざる・・・。
この愛され系?の構図の時に、一番疑問なのが「男性は女性のどこに惚れたのか?」わかりやすくいい女なら疑問を持たないのですが、猫猫みたいにイロモノ系(ごめんね)の女子に入れ込むポイントがわからず、???と思ったまま終わります。猫猫おもろい人やけど、友達枠でしょう・・・。まあ人の好みはそれぞれかあ。
蝗害は大変そうだなーと思いつつ、これのために西都へ来たんだっけ?えーと壬氏のお付きのためだっけ?目的がもうわからなくなっている。笑。
たぶん次の巻も色々忘れたままスタートです。



PR

「営繕かるかや怪異譚 その参」

小野不由美/角川書店

建物で起こる怪異を解くため、営繕屋は死者に思いを巡らせる。

あっさりめホラーという感じ。
そろそろ家の建て替えとか考えないと・・・という時期で、色々考えさせられました。
家は家族に結び付いていて、いい思い出もあれば恨み辛みもあり、壊して終わり!って解決するパターンだけではないところが深いです。
印象に残ったものを。
「火焔」義理の母を長年介護した末に看取った順子。存在しないはずなのに、確かに家の中に義母の気配がすることに苦しめられる。嫁姑問題!通いで義母のご飯を作りに行っていた私の母の知り合いの方も、ゴミ箱に見えるようにご飯が捨ててあったそうです。目の前でまずいと言って捨てられるのと、無言でわざと見えるところに捨てられるのと・・・どっちがいいですか?どっちもイヤー!強いて言うなら前者ですかね。後者は陰険すぎるやろ。お義母さん、寂しいのかなあ。
「歪む家」弥生の趣味はドールハウス作り。しかし、作り込むごとに闇を感じるようになり、供養することを繰り返していた。私ドールハウス好きなので、読んでいて一番ワクワクしました。自分で全部作れるって尊敬です。自分、不器用なもので・・・。色々裏設定を考えてしまうのは、弥生さんの性みたいなもんなので、やめられないと思う。智章さんの言うとおり、いっそネズミのドールハウスを作るのが良いと思う。
「誰が袖」典利は実家で女の幽霊を見かけることがあった。結婚して新居に移り住み、自分にはもう関係ないと思っていたが、祖父と父のある共通点を見つけ・・・。夫婦愛が素晴らしい。もう一度プロポーズに行くからってすごい殺し文句だなあ。
「茨姫」母も姉も亡くなり、放置していた生家に戻ってきた響子。姉は15年前に庭の小屋で自殺したのだ。姉との思い出を取り戻し、小屋を残そうという響子の思いに応える仕事人の尾端さんが素敵。母親の偏愛がなければ、今も仲の良い姉妹でいられたのかと思うと親の責任は大きい。小屋が良い憩いのスペースになりそうで良かった。



「BUTTER」

柚木麻子/新潮文庫

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。

私の性別が女性だからか、女性の性みたいなものを読むと「うっ、生々しい・・・」と引いてしまいます。特に私は他人に深入りしない(できない)ので、里佳と伶子の濃厚な関係に恐怖を感じていました。特に伶子さんが暴走してからがやばかった。友達の仕事と自分の問題を混ぜちゃだめですよ。こわいよー。
私は男性にモテないですし男友達もいないので、梶井さんの気持ちはさっぱりワケワカメなのですが、料理上手ではなくとも立ち回りが上手な女性はいますね。そして女性とは折り合いが悪い。笑。私も男性人気の高い女性は苦手かも~。なんか・・・、笑ってるけど、笑ってない感が怖いですねえ。梶井さんは本当は同性のお友達が欲しかったのかな?
対して、里佳は独自のコミュニティのようなものを作り上げてゆくのですが、こちらも私にはちょっと良くわかんないや・・・。避難したいときにいつでも逃げてこられる、駆け込み寺のような場所。確かにそんな場所があれば、助かるんだろうなあ。だけど、私は人の懐に飛び込むことができないので、こういう人の輪にも入ることはできないんだろうなあって思います。相手の状況とか、迷惑かけてないかなとか考えちゃう。
おいしそうな料理が出てくるってことで、この本を手に取りました。評判通り、料理の描写がとてもおいしそうでした!後半のパーティー料理は無理ですが、たらこパスタにはまったし、バター醤油ご飯やラーメン、バターのお餅くらいなら簡単に作れそうです。最近の物価高も相まって、バターが高いからついついマーガリンで代用していましたが、やっぱりバターは違う・・・!登場人物の誰にも共感できなかったけど、バターのおいしさを思い出させてくれてありがとう。
食べ過ぎに気をつけねば。


「味の台湾」

焦桐/みすず書房
訳者/川浩二

詩人は、十数年にわたり台湾じゅうを食べ歩き、庶民に親しんだ食べものを味わいつくした。土地や店ごとにさまざまに異なる“小吃"の数々から透かし見えるのは、貧しく厳しい日々のなかで生活の平穏無事を祈り勤勉に働いた古い時代の人々の姿であり、ふるさとを思って作った食べもので郷愁を慰めた移民たちの記憶であり、台湾の歴史のなかで起こった文化の混淆と変容の痕跡であった。

台湾で屋台の食べ歩きをしたいなあとほんのり思っていた私。
さぞかし美味しい料理がたくさんで、食欲を刺激されるに違いない!とわくわくして読んだのですが・・・。聞き慣れない食材や、馴染みのない調理法などから完成形が想像できず、おいしそう~食べてみたーいとはなりませんでした。
意外にモツとか好きなんですねえ・・・。豚の血のスープ、豚の頭、臭豆腐、カラスミ(これは日本でも有名か~)、羊、牡蠣もよく登場しました。羊も牡蠣も苦手なんだわ・・・。
たぶん豚肉を揚げたり煮込んだりしたのとか、魚のすり身のスープなんかは普通においしいと思うんですよね~。でもこだわりの調理法があるみたいで、これをすると良い、これは駄目みたいなルールの記述が結構ありました。私の料理はわりと大ざっぱなので、なんかめんどくさいな~が先行してました。たぶん屋台の中の人はおおざっぱだと思う。笑。マンゴーかき氷とアイスバーとお粥、麺類はいけそうでした!
あと、漢字が読めなくって~(最初にルビは振ってあるのですが、その読みを覚えていられない)。お店の名前も人名も読めなくってつまづくのさ~。

食はそのときの思い出を鮮明に思い出させてくれますね。料理とともに語られるのは、著者のその時を切り取った思い。特に奥さんへの思いは溢れんばかりで、仲の良い夫婦だったんだなあとうらやましく思いました。奥さんを偲んで語られる思い出は、どれも痛々しかったです。
台湾とひとくくりに言っても地方によって好みが別れたり、調理法も違ったりします。それはどこの国も同じだなあ。そこはおもしろいなと思いました。
台湾で食べ歩き・・・ちょっと無理かも・・・。



「短編宇宙」

/集英社文庫

最近、夜空を見上げていますか? 個性豊かな人気作家陣が「宇宙」をテーマに描くのは、無限の想像力がきらめく七つの物語。鬱屈した日々に息苦しさを覚えたら、この一冊とともに、いざ宇宙へ!

宇宙・・・ロマンです。時々宇宙に関する本を読みたくなります。難しく理解できないけど、そのスケールの大きさに救われる人って多いんじゃないかな。
「南の十字に会いに行く」(加納朋子)石垣島を旅する父娘。喧嘩しながらも旅を続ける彼らは、他の旅行者と思わぬ場所で一緒になる。予想を裏切るハートフルな展開ですが、私はあまり好きではなかったです。わざと母親が亡くなったかのように思わせる必要あります?自分が親を亡くしたからか、余計にそう思います。軽い伏線に使うのはデリカシーに欠ける。
「惑星マスコ」(寺地はるな)万寿子は仕事を辞め、姉の家で暮らしている。故郷を離れた地で、万寿子のことを宇宙人と呼ぶ子どもに、もう一人の宇宙人を教えてもらう。私たちも地球人という宇宙人なので、ワタシタチミンナウチュウジン。個人をカテゴライズするのって良くないよなあと思いつつ、便利だからざっとわけちゃいます。この人は優しい人、怖い人などなど。その人の中には色んな面があって、それがグラデーションになって、時々その色合いを変えながら存在しているんだってことは覚えておかないとな。
「空へ昇る」(深緑野分)大地に大人の指が2本入る穴があき、そこから土塊がふわふわと浮かび上がる。それはいつから始まったのか。これは不思議な現象なのか?学者たちの考察は続く。説明できないものは不思議ってことで良いのではないのでしょうか。終わり。
「惑い星」(酉島伝法)生まれたばかりの星は親元を離れ、独り立ちする。星たちの死と生の物語。星に感情があってな・・・っていうお話のコンセプトは面白かったです。独特の名詞が出てきて、とても読みにくかった。
「アンテュルディエン?」(雪舟えま)おれが思いを寄せている彼とお出かけ中に出会ったのは、世界的に有名な俳優だった。彼はおれたちにある予言を残す。BLはどうしたら良いかわからない、居心地の悪さを感じてしまいます・・・。
「キリング・ベクトル」(宮沢伊織)宇宙船で目覚めた殺し屋は、依頼人の少女を護衛することになる。SFでした。人間を3Dプリンタで作れる技術って恐ろしい。最後は予想外でした。彼が全ての命を奪えるようにしたのは、自分を殺して欲しいからではないのか~。
「小さな家と生きものの木」(川端裕人)宇宙の研究をしているぼくと、娘のひなた。星についてのお話から、ぼくたち家族の話まで。これは一体なんだったんでしょうね?オチもなく一番つまらなかったです。