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読書の記録です。

「七人の武器屋 飛べ!エクス・ガリバーズ!」

大楽絢太/富士見書房

次の目的地は、伝説の天空郷アトラ。この神秘の島にウラヌスちゃんを帰し、オレらの無実を証明するんだ!ようやく全員が揃い、盛り上がる七人。しかし、アトラは変わり果てた姿になっていた・・・!

オーフェンシリーズ再読で、ほったらかしになっていたシリーズ。大楽さん、新シリーズがもう5巻目くらいまで出てますよねー。時の流れは早いなあ。さて、読了していたものの、感想を上げるタイミングを逃していた第8巻から~。
甲冑脱いだらマーガス登場!からの続きでした。フォースの拘置所から脱走した一行は、お尋ね者のまま、天空郷アトラを目指します。アトラには、自白剤の効果を持つ薬があるということで・・・。これをサラディン・オズに飲ませて、自分達の無実を証明しようという計画と、あとは、ウラヌスを天空郷に送り届けるというイシちゃんとの約束のため。今度は、地上から天空郷に冒険の舞台が移ります。
天空郷って、地上何メートルにあるのかわかんないんですが、気球?巨大風船?みたいなもので、そこまで上っていくとは何と強引な・・・!危ないじゃないか・・・!ところで、空に浮かぶ国と言えば、ラピュタ。かつては栄えていたが、王の不在により荒れ果てた、とかシチュエーションがもうラピュタ。ということで、脳内ではラピュタの映像とテーマソングが流れてました。親衛隊はファンシーなペンギンでしたが・・・。この流れだと、ムスカはサラディン・オズ?笑。「目が、目がぁ~っ」って言ってたら完璧だったのになー。(←無茶ぶり)
舞台がどこに移っても、七人は七人のままのテンションを保っていて、心強かったです。特に女子チームが。イッコ、ミニィ、ドノヴァン、マーガスの面子で、確かに男子は霞むわな・・・。笑。あとは、エクスの行く先をどうまとめるか・・・。メンバーがそれぞれエクスについては考えてると思うけど・・・。やはりマーガス、さすがマーガス、主人公なだけに色々店のこと考えてるんだなあーと感心。最初の1冊を読んだ時は、七人それぞれの道がここまで分かれるとは思わなかったし、背負うものが出来るなんて想像できなかった。しかし、8冊分の物語を経て、自分自身の道を選び人生の一歩を踏み出そうとしている。成長したなあー。もう、このシリーズはお店の経営云々という枠組みを越えた、青年の心の成長を描いた作品なのではないかと思います。・・・大げさ?
残すはあと1冊。エクス・ガリバー最後の大暴れ!


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「これで終わりと思うなよ!」

秋田禎信/富士見書房

どこまでいってもとことん不幸。はてしなきなんでもありファンタジー!書き下ろしも加えた、無謀編・最終巻!

実は、無謀編はドラマガ本誌で読んでいたため、途中までしか文庫を読んでなかったんですよねー。こんなにボーナストラックがあったなら、最終巻だけでも読んでおけばよかったなあ。何はともあれ、本編+無謀編と読んできたオーフェンもひと段落しました。中だるみもありましたが、私にしては良く続いたほうだと思います。
「これで終わりと思うなよ!」私が雑誌で読んだのは、ここまで。お馴染みの顔ぶれがいなくなって、なんだかいつもと勝手が違う最終回。なんか気の抜けた炭酸飲料みたいな最終回。そんな印象だったように思います。私にとって、無謀編って、なんかバタバタしているもんなので、このしっとりした感じが違和感だったのかなー。やっぱり不完全燃焼・・・。
「これはいったいなんなんだ!?」こちらは増刊に掲載されたものらしいです。どっちかというと、こちらの方が、無謀編っぽい最終回でした。オーフェンがお金を稼いでくると、何かが起こる・・・。ところでサマンサはお金を回収しに来なくて良かったのかしら?ラシィの上司ってハーティアだよなあ、やっぱり・・・。
「そこまで責任持てねえよ!」オーフェンの娘・ラッツベインの話。続編のプロトタイプみたいな感じかな?それか、続編のさらに何年後かの(一人立ちしてからの)話か・・・。労働に不向きなところは、父親そっくりー。性格までそっくりじゃなくて良かったね・・・。性格は師匠寄りかな?
「ぼくのせんせいは」プレオーフェン・最終編。最終編にして、一番若かりしころの話。地獄四人衆VSチャイルドマン教師。どんなに最悪の状況にあっても、活路を見出してきたオーフェンの原点は、こんな小さな時からあったんだなあ・・・。



「そのまま穴でも掘っていろ!」

秋田禎信/富士見書房

コギーが今度こそ本当に出世!?別れの時が来たかもしれない、無謀編第12弾!

表紙の絵がナイスです。最近のラノベの表紙は似たようなのばっかで、購買意欲も失せますからねー。とりあえず、巨乳女子を出しとけばいいじゃんって思ってないかい?でも、悲しいことに、その方が売れるってことなんだろーなー。
「そのまま穴でも掘っていろ!」ポチョムキンを思い出す、殺し屋の話。ポチョムキンには敵わないけど!いっそのこと、ポチョムキンを出せばよかったのにー。ボルカンは構ってもらえたのがそんなに嬉しかったのか、まるで子犬のようだったなあ。
「フリでもいいから努力しろ!」コギー昇進!?の巻。コギーにはかわいそうだけど・・・うまい話は、絶対ご破算になるというお約束ですから・・・。「事件捜査・・・そしてコギー・・・失敗しないはずがないじゃないか!」まさにその通り!笑。今回は上司がまともだったので、ちょっとこの話惜しいことしたなとは思いましたが。無能を有能に見せるのはムリムリー。
「今さら期待はしてねえよ」キースのあったかもしれない過去シリーズ。モヒカン野盗編。一瞬のネタだったけど、一応強そうだったので。またもや元婚約者を名乗る人物が現れた!例によって例のごとくオチなしです。キース、なぜにモテる!?キースもB型っぽい。
「かよわい彼女のまもりかた」プレオーフェン・事件編。姉さん、事件です!というよりは、姉さんが事件を起こしてます!という感じ。アザリー姉さんと同じく、守ってもらえない女性に分類される私としましては、たまには構って欲しい気持ちがわかるような、気もしないでもない・・・。とにかく、退屈が嫌いなんだろうねー。アザリー、猫っぽいし。


「もういいかげんあきらめろ!」

秋田禎信/富士見書房

誰にでも触れられたくない過去がある。涙なしには語れない、オーフェンの過去が今明らかに!?無謀編11巻!

BOXの続編も読み終えて、ただいま未収録短編集を味わっております。ブログの更新が滞っているからといって、生活が充実しているわけではないところが悲しい。メイクが変わったのは、いいことがあったからじゃないんだ!
無謀編も残すところあと2冊、というところまで来ました。
「俺がいったい何をした?」何もしてないんだけど、その生き様を否定されたオーフェン。・・・確かに真っ当な生活ではないし、人様に迷惑をかけまくっているので、弁護しようがないな・・・。笑。先祖代々暗殺者の家系っていう人材がいる魔術士同盟もなかなかすごいよ。
「思えば遠くへ来たもんだ」オーフェンの過去フラッシュバック編。私的には、ちょっといい仲になった(だろうと推測される)女性が出てきたのが意外でした。しかも、普通の人だった・・・!オーフェンって普通の人ともコミュニケーションがとれるんだー。何気にコギーの粋な桃缶が大好きです。
「こんな俺に誰がした?」色々な過去があって、いたいけな少年キー君は、目つきの悪いモグリの金貸しオーフェンへと変貌したのです!気付かれたら困るけど、気付いてもらえないと、それはそれで寂しい。この心情だけだと、セレブレティみたいだなあ。
「もういいかげんあきらめろ!」ラシィの勘違いっぷりがかわいいやら、痛ましいやら。またもやコギーの大人なシメが来ました。まあ、こうしてるといい女なんだけどなあ。
「向かない職業」プレオーフェン・立志編。今回は謎多き男・ロン毛は受け付けないんだけど、たぶん教室中で一番のイケメン、コルゴンの登場です。話自体は、えーと、DVを受けてる女の人を助ける・・・というそれだけの話。コルゴンって、ミステリアスっていうよりは、実は無口な天然さんという説の方が正しい(確信)。コルゴンは絶対B型!しかし、チャイルドマン教室の人々は、吉本新喜劇ばりのリアクションをいつ身につけたのか・・・。


「告白」

湊かなえ/双葉社

我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。

これは大分前に読み終えていたのですが、なんだかコメントに困ってしまいまして、現在に至ります。みなさんご存知の話題作で、本屋大賞受賞の肩書きを裏切らない、とてもおもしろいお話でした。・・・というフツーな感想しか思い浮かばなくって・・・。こんな話なら、ネット上にゴロゴロしてそうだけど、いつもそんなもんだから、いいのかしら。とネガティブに自分を納得させてみました。では、レッツゴー。
学生が主人公の本を読むと、「自分がこの年頃の時って、色々真面目に悩んだこともあったけど、こんなに難しいことは考えていなかったはず・・・」と思います。小説の中の青少年は早熟だなー。やはり複雑な家庭環境が、このような子供を育むのでしょうか。学生の時の、いやーな思い出だけがよみがえってきます。地味にいじめもあったし、派閥もあったし、うざい先生もいたし・・・。これを読むと、「あの頃は良かった。もう一度戻りたい。」とは絶対思わない。笑。
加害者の少年2人は、全く別のルートを辿ります。通常は直樹ルートですかね。なかなか修哉ルートには進めないでしょう!かなり歪んでないと、こういう思考にはならないかな。私は、子育て未経験者なもんで、2人の母親については、色々と物申したいところですが、説得力に欠けるのでコメントしません・・・。
そもそもが修哉のマザコンから始まった話。さらに原点にかえると、修哉を置いていった母親にたどりつく。なので、最後の最後でそうくるか!という意外性と、確かにここまでやらないと駄目かな、という納得の気持ちが半々でした。
最後に問われるのは、復讐は果たして許されるのか、というところだと思います。・・・倫理的には、さらなる負のループを生むのでダメ、というのが正解なのかな。だけど、個人的にはこれはアリではないかと。淡々と獲物を追い詰めて狩る執念深さがすごい。ただ、復讐の手段としてHIVを持ってきたのはいかがなものかと。うーん、なんとなく、良くない感じがします・・・。
湊さんの作品は、今のところすべての話が一人称らしいですね。他の作品も気になるところですが、作風が偏っていると飽きちゃうから、ちょっとずつ読もうと思います。