忍者ブログ
読書の記録です。

「なかったことに出来ねえか?」

秋田禎信/富士見書房

オーフェン、とうとうゴールイン!?もちろんウェディングドレスは黒!な第10弾。

オーフェンの続編を読んでます。もったいなくて、ちびりちびりと~。
ではでは、毎度テキトーっぽく見えるけど、ちゃんと考えてる(つもり)の感想に行きたいと思いますー。チャイナコギーが素敵です。美脚!
「マジになってもいいんだな!?」オーフェンって本当に牙の塔で優秀だったの?疑惑に迫る一編。いや、これは相手が悪かったのか。それにしてもマジクは、もうちょっと友達を選んだ方がいいと思うんだ・・・。邪教崇拝のクラブといい、今回といい・・・。
「なかったことに出来ねえか?」オーフェン、愛の告白をされる・・・、男に!の巻。例のごとくキースがかき回してぐっちゃぐちゃになってますが。黒いウェデイングドレスは、きっと似合うと思うのよー。珍しく、キースが黒こげになってますね。避けそうなモンなのに。コギーは喋らなければいい女タイプなんでしょうかね。
「くだらんゴタクは聞きあきた!」結局のところ逆恨み、な話。「魔術士絞首レスカ」のレスカはレモンスカッシュの略なのか。レモンスカッシュってレスカって略すんだっけ?そこが気になる・・・。あとは、ラシィの呪文に萌えた。「子犬さんのキャンプファイヤー」「くらげのホームパーティ」に「お猿のキャンドルサービス」!胸キュン・・・。
「今がチャンス」マジクの母登場!こんなアグレッシブな母親なのに、息子はわりと普通に育ったなあ。バグアップの育て方が良かったのか・・・。牙の塔でもエリートの部類に入る一行を、簡単にのしちゃうなんて、ますます謎めいていますマジク母。家にいない時点で、主婦って呼ばないような気がするんですけど・・・。笑。


PR

「ダイナー」

平山夢明/ポプラ社

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。一筋縄ではいかない凶悪な客ばかりを相手に、カナコは生き延びることができるのか?

ホラー小説の表紙が苦手なんです。なんというか・・・、不気味じゃないですか?内容がグロいのにかわいい表紙っていうのも裏切りだと思いますが・・・。もっと読書欲をかきたてられる表紙にしてもらえないものか・・・。その点、この本の表紙は良かったので、手にとってみようかなという気になりました。ダ・ヴィンチのプラチナ本がきっかけだったけど、ジャケ買いに近いものがありました。
さて、話はカナコが危ないバイトをして巻き込まれるところから始まります。死にもの狂いでアピールし、殺し屋専門のダイナー「キャンティーン」で働くことになります。そこでのサバイバル。いつも死が隣り合わせの極限状態。自分を守るのは自分。カナコは、何度もピンチに遭いながらも、運の良さや機転で乗り越えていきます。
訪れる殺し屋はさまざま。けれど、殺し屋だって人間。感情があり、感傷的になるときだってある。ちょいとイカれた殺し屋を、見事に描き分けていると思います。中でもスキンとオヅ、炎眉の話が切なかったです。ボスとかの方が影が薄かったですよね。笑。
この小説は、エンターテイメントの要素をたっぷり盛り込んだもので、「独白する~」のように、幻想的であり神々しさを感じるようなものではなかったです。雰囲気よりは、物語の構成を大事にしたという印象を受けました。しかし、カナコのピンチの連続にハラハラし、ボンベロのハンバーガーが空腹を誘い、菊千代のアゴの力に感心し・・・と、飽きずに読むことができました。
とても、おもしろい本ですが、やはり好き嫌いが強烈に分かれると思うので、オススメはしません。私はと言えば・・・、慣れですかね・・・。惨殺シーンを読んで、さすがにうきうきした気分にはなりませんが(笑)、免疫があれば大丈夫です。後から思い返すと、最初の方で、カウボーイが生きたまま解体されるところが一番エグいかな・・・。やっぱり生きたままっていうのが、残酷さではポイントが高いですよねー。
最後のボンベロが本当にしびれるほどかっこいい。
これ、映画化して欲しいんだけど、ボンベロにぴったりな俳優をみつけるのは無理かな・・・。


「人は自分に合った靴を履くべきだと思う。
 押しつけられた靴ではなく、自分で探して納得した靴を。
 そうすれば驚くほど遠くまで歩くことができる。」


「D.Gray-man reverse3」

城崎火也(原作:星野桂)/集英社

ある雪の日の記憶。“赤腕”は笑わない子供。犬を連れたピエロと出会い、あたたかい心に触れ、呪われた運命から逃れようとするが…。大好きなアレンを捜して、蝋花が新本部を駆け巡る。

しばらく続きを待ってたんですが、一向に出る気配がないので、小説版の存在を忘れていました・・・。本編は色々と謎が広がっていく一方で、本当にキレイにまとまって終わるのか心配になってきました。クロス元帥、今頃どこでどうしているのやら・・・。
まずは「乙女ラプソディ」。蝋花が本部でアレンを探す話。・・・一言で終わっちゃったよ。本部メンバーもちょいちょい姿を現しています。さすがレギュラーメンバーというべきか、主人公の蝋花より存在感があります。原作でも、蝋花のアレンへの好意は描かれていましたが、ここまで好きだったとは正直意外です。恋人になりたい!というよりは、憧れという感情の方がしっくり来ると思っていたので・・・。今後、コミックの方も何らかの進展があるということなのかな?アレンと蝋花のカップリングはありえないと思っていただけに、今後が読めないですね~。つーか、アレンって女の子好きなの?笑。
「Lost Fragment of snow」雪の失われたかけら・・・失われた雪のかけらのほうがしっくりくるかな・・・。こちらは、アレンとマナの出会い編です。アレンがまだ赤腕と呼ばれていた頃。マナについては、原作でも明かされていないことが多く、謎に包まれた人物です。ある日突然、17歳からおじさんに。消えた弟。千年伯爵との関係。あれ、さらに謎が増えてるような・・・。アレンの14番目の話も、どうなっちゃうんでしょうかー。クロスはこの件があったから、アレンに目をつけていたのかなー。シリアスなお話でした。コジモがやられたときは、ざまあみろと思った私。器が小さいな・・・。犬のアレンが死んでしまって、とても悲しかった。
以上の2本立てでした。
そうですね、次は・・・、ブックマン(ジジイの方)の毛髪の話なんかどうでしょう?個人的にフサフサのジジイが見たいのさー。


「カラーひよことコーヒー豆」

小川洋子/小学館

連載分24本+書き下ろし5本から一貫して伝わってくるのは、スポットライトが当たる人の周縁で密やかに、でもしっかりと生きる人々への、深い愛と感謝の気持ち。

小川洋子さんの作品だけでなく、そのお人柄の虜になっています。どんな物語であっても、小川作品の根底に流れている温かいものは、小川さん自身から自然とにじみ出てくるものなのだろう、と勝手に推測している次第です。それは、エッセイにおいても同じなのです。
やっぱり、愛犬家としてはラブについて触れられた「カラーひよことコーヒー豆」「いとおしい気持ちになれる時」がぐっときました。我が家の愛犬も年をとり、時々夜中にこっそりリビングに行って、寝息(いびき)をたてて眠っているのを確認することが習慣になりました。もう、犬が死んだ時のことを考えただけで号泣です。ペットロス症候群になると思う。いつか、いとしい気持ちになれるときが来るって理屈ではわかるんだけどな・・・。まだまだ小川さんみたいには悟れないですー・・・。
あと「本物のご褒美」には、小川さんの謙虚な心が現れていました。小説を書くこと、それが読者に届くことの喜びが率直に書かれている。私は仕事をしていて、そのような喜びを感じたことがないので、とても羨ましく思いました。「小さな命に救われながら」では、後になって「あんなこと言わなければよかった。」と後悔している姿に「私もそうだわー」と深く頷いた。「思い出のリサイクル」での息子さんの「おててが切れちゃうよ」にはじんわり癒されました。他にも心温まるお話が盛りだくさんです。
以前「科学の扉をノックする」を読んだ時に思ったことなのですが、小川さんの人物観察眼というか、人を紹介するときにこんなにもいい面を前面に押し出して紹介して下さるなんて、なんていい人なんだ!と。今回もたくさんの人が登場するのですが、どの人もユニークでいいオーラが感じられます。私も紹介して欲しいな・・・。


「何の前触れもなく、静かに試練はその人の背中に舞い下りてくる。仕事で取り返しのつかない失敗もするだろう。大事な人を失うこともあるだろう。でも慌てる必要などない。必ず救いの道は用意されていて、それを探すことこそが、生きることなのだから。」


「コロヨシ!」

三崎亜記/角川書店

20XX年、掃除は日本固有のスポーツでありながら、何らかの理由により統制下に置かれていた。高校で掃除部に所属する樹は、誰もが認める才能を持ちながらも淡々と掃除を続けている。しかし謎の美少女・偲の登場により、大きな転機が訪れる。

表紙の絵が、みんな長ネギ持ってるみたいに見えて仕方ない。
今回は、「掃除」という新体操みたいな競技の物語。スポ根!主人公は、色々な困難にぶつかるのですが(結構理不尽なケースが多い)、スポ根だから何とか乗り越えるだろうなー、という安心感がありました。野生時代でシーズン2を読んでいるので、樹の父親や寺西顧問なんかのオチはなんとなく見当はついていました。だからといって、今回いまいち乗れなかった理由はそこではないのです。
もともと私はスポーツものはあまり読まないし、スポーツ観戦自体も滅多にしません。決して嫌いなわけではないんですが・・・。特に応援する理由が見当たらないので、(自分に特に関係のない)試合をずっと見ている(応援する)ことがしんどいのかな・・・と。自分がスポーツとは無縁の人生のせいか、競技自体にも全く興味が沸きません。こういう話をする時、自分は人間としてどこか欠けているのではなかろうかと悩みます。なんで、みんなみたいに誰かを一生懸命応援できないのかな?
・・・と、こういう人間なもので、意味のわからない特訓が出てきて「これがどうレベルアップにつながるのか?」とか、手ごわい相手が出てきて「どう戦うのか?」とかあんまりわくわくしなかったなあ。三崎さんの淡々とした文体のせいもあるような。主人公だけが何も知らなくて、周りの人間は色々知ってるっていうのも、読んでてずっとむかっ腹が立ってた。知らない人間に対して、知っている人間って圧倒的優位じゃないですか。ことあるごとに、訳知り顔で色々言われたって、ねえ!教えてもらわなきゃわからんこともあるでしょうが。
そういう意味で、ダブルヒロイン?の偲と梨奈も好きになれない。どっちも一筋縄ではいかないと思う。かわいいっていう印象よりも、憎たらしい印象が勝るヒロイン・・・。
掃除が国技になると何がどうなるのでしょうか・・・。どうでもいいような気もしてきました。