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読書の記録です。

「SPEC Ⅰ」

西荻弓絵・豊田美加/角川書店

通常では捜査の対象にならない“特殊”な事件を取り扱う、警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係、通称ミショウ。そこに所属する奇妙な女性捜査官・当麻と敏腕刑事・瀬文が、特殊能力「SPEC」を持つ犯罪者に立ち向かう。

ぱったり本が読めなくなってしまいました。睡眠時間だけはどうしても削れないの・・・!
さて、観てると餃子が食べたくなるドラマ「SPEC」のノベライズです。今はまってるもんで、買ってしまいました。私はドラマが好きなので、ドラマのノベライズとしてはアリだと思いますが、小説としてはいただけないですね。やっぱり先に脚本ありきなので、若干ト書き調なのが気になります。なので、結果的にはオススメできない部類に入るかと・・・。
ドラマ好きの目線からでは、内容が忠実に再現されているので、ドラマのおさらいにちょうど良いです。1~3話目はなかなかおもしろかったのですが、4話目は少し崩れましたね。矛盾だらけ・・・。どうなるのかな・・・と心配していたら、5話目は瀬文がアツくて良かったな。当麻の過去なんかも出てきて、やはりおもしろくなってきました。
まとまるか、空中分解するか、紙一重な「SPEC」の世界観。私は気に入っているし、当麻も瀬文も好きなのであと少し追いかけてみようと思います。
それにしても、戸田恵梨香がかわいい。鼻ほじってもノーメイクに近くてもかわいいなんて、ズルイなあと思う。


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「あきれてものも言えねえぜ!」

秋田禎信/富士見書房

今日も無能警官に振り回される日々。
「俺の税金を返せー」
えっ、納税してたの?とつっこみたくなる無謀編・第5弾!

「俺に構わず死んでくれ」存在の引き算がおもしろい。自分を貶めていくことで、より強い力を得るという両刃の剣・・・!しかし、冷静に考えれば自分がヒモやらマッチやらになってまで強くなる意味などない・・・。シビリアス婆さんの祈祷がおもしろかったー。
「お前のツラはみたくねえ!」それは別の商売だああああっ!・・・かなーり高く買い取ってくれるのならば、売らんこともない・・・。と考えた私はコギーと目くそ鼻くそ。
「馬鹿馬鹿しいにもほどがある!」ひたすらオーフェンと地人兄弟がじゃれている話。まとめようとすると、びっくりするくらい中身が何も無い!ボルカンが楽しそうだったなあ・・・。
「あきれてものも言えねえぜ!」ファンタジーの世界でも警察には無能がごろごろしているのか・・・!ぶるぶる。派遣警察・・・、恐ろしいところだな・・・!っていうか、オーフェンも牙の塔の一件がなければ、派遣警察に入れるよなあ。
「タフレムの震える夜」プレオーフェン・失楽編。天人の遺品を、間違えてゴミに出しちゃった、うっかり☆アザリー姉さんの尻拭いをさせられる羽目になったハーティアとキリランシェロ。そんなことも、良くある日常のひとコマ。捕獲用って言っても、鋼鉄製のワニに襲われたら、それだけで死んじゃいそうな気がするんだけど・・・。個人的にはマジク君のお母さん編の方が気になります。


「訪問者」

恩田陸/祥伝社

三年前の冬の朝、謎の死を遂げた実業家朝霞千沙子。彼女に育てられた映画監督・峠昌彦の親友・井上は、カメラマンの長田とともに、ある館を訪ねる。嵐に閉ざされた屋敷、真相を追う昔語り、そして新たな訪問者・・・。

恩田節炸裂!な一冊。雰囲気で読ませてくれます。でもって、今回はオチもしっかりついてます。オマケみたいだなあ。結末が丸投げという可能性を第一に想定してますので(笑)。すいません。
主人公・井上は、雑誌の取材と偽って朝霞家にもぐりこむが、実は昌彦の親友であり弁護士だった。彼の目的は、昌彦の遺産相続者である父親を探し出すこと。昌彦は、その家に集った4人の男性(千沙子の兄弟と義理の弟)の中に父親がいると思っていたのだ。しかし、想定外の人物が朝霞家を訪れ、井上は翻弄されることになる。
昌彦の父親は誰か?朝霞千沙子の死、昌彦の死の真相とは?訪問者とは誰のことを指しているのか?殺人者は誰だ?そんな謎が折り重なって、時に鋭く、時に恐怖を伴って読者に問いかけてくるのです。
嵐で孤立する家、1つの死体、まねかれざる客。そして、悶々と考える井上。くすぐられます~。井上は、最初は自分がイニシアチブを取っていたと思ったら、いつの間にか、巻き込まれていたというか。その計算外な展開に抵抗しているのが良い。劇団員の小野寺の飄々としたキャラクターも、憎めなくて好きです。ただ、最後の最後まで胡散臭さバツグンでしたが!湖のくだりは、珍しく現実的な謎解き。
昌彦が残した映画の脚本「象を撫でる」のモチーフとなっている「群盲、象を撫でる」の話がおもしろかった。それぞれが、象の一部に触れて、象という動物のことを分かったような気になる、ということ。これを脚本では、ある人間を理解しようとしても、その一部にしか触れていなければ、その人間の全体は理解できない、というテーマで取り入れています。ううむ、ひとつ賢くなったような気がする!
このまま事件は闇に葬られるのかと思うと、やっぱり読後はぞくりとしました。


「文・堺雅人」

堺雅人/産經新聞出版・日本工業新聞社

舞台・ドラマ・映画の世界で活躍の場を広げ続ける堺雅人。
2004年12月から2009年1月まで『月刊TVnavi(テレビナビ)』に連載したエッセー「文・堺雅人」を1冊の本に。

堺雅人さん、大好きです。
こんなに好きになるとは、「新撰組!」の時は、正直思ってもみなかった!「南極料理人」、ホント最高でした。まだ観てない方は、ぜひに。
普段はあまり芸人さんや俳優さんの本は読まないのですが、堺さんは例外ということで・・・。失敗しても悔いはないくらいの覚悟で、買いました。笑。結果は大勝利でした。めっちゃおもしろかった!
堺さんの感性というか、物の考え方(とらえかた?)というものがとても興味深かった。たぶん、人としてめっちゃおもしろい人なんだろうなーと勝手に想像してしまった。どれもおもしろかったんですが、思わず吹き出してしまったのは、「カベムシ」の話。小さい頃から職人だったんですねえ・・・。あと、「寒」で、最後の「みなさん、春までがんばりましょうね」という最後の一言がステキでした。これは全体に言えるのだけど、このほんわりした言葉だったり、考え方に癒されます。難しい演技論みたいな話はわからない。けれど、役に関連して、例えば「品って何だろう?」「今求められているのはスペシャリストではなくジェネラリストでは?」「新聞記者は肉食系?」みたいな話題ならば、私も「なるほどー」と入り込める。あの時のセリフだったり、仕草だったりは、堺さんの深いところで時間をかけて作られたものなのだと思うと、役者ってなんて大変な仕事なんだと感じる。でも、堺さんめっちゃ楽しそうでいいなあ、なんて思ってしまう。
あと、ひらがなと漢字のバランスが、星さんの短編集を読んでるときの感覚を思い出しました。優しい感じがして、堺さんにぴったりだなあと。
最後に、写真が収録されてるのも良かった!全部載せて頂きたいくらい!やっぱり和服が・・・、一番いいですよねえ・・・。
今は、「CREA」でエッセイを連載されているので、また本になるに違いない!やったー!と今から楽しみでなりません。


「顔を洗って出直しな!」

秋田禎信/富士見書房

金は増えずに悩みは増える。無謀編・第4弾!

地人兄弟の出番が確実に減っているが、無問題。
「そんなに地獄を見てえのか?」キースのあったかもしれない過去シリーズ・出生編。今ごろ、郷里が判明したって・・・。思いっきり胡散臭い・・・。笑。うさぎ様。超ステキです、うさぎ様。今回のキースの婚約者はスザンヌ(覚え書き)。
「顔を洗って出直しな!」結構好きな話です。オーフェンのドSっぷりもですが、サモアペットの愛すべきアホっぷりが良い。「ま・じゅ・つぅぅぅぅぅぅっ!」バカ!なんてバカな子!
「明日があると思うなよ!」運動会の回。確かにオーフェンの世界観でいくと、ローマのコロッセオ風な感じを持ってくるのが妥当かな。でも、現代の運動会です。爆薬とかサソリとか落とし穴とか仕掛けてある以外は。ある意味サドンデス。
「さよならなんて言わねえぜ!」コギー、令状を取らず逮捕に向かうの回。もうね、アゴ砕いていいと思うんだけどね。八つの星が降りてくる話は、別で読みたいです。ぜひに。
「そーいやなにかを忘れてる?」珍獣を売り払って金儲けって、当初から全く前進の見られないオーフェンの思考回路!手っ取り早くお金を稼ごうとするから、いつもいつも最後に痛い目に遭うんじゃないさ。もっと建設的に将来設計を考えて・・・。・・・ティッシっぽくなってしまった・・・。赤紫斜めマダラ接続式ゾウガメと、栓抜き付き回転振り子ガニは、もしかするとテストに出るかもしれないので、要注意だ!
「清く正しく美しく」プレオーフェン・暗黒編。コミクロン登場!おさげに白衣の彼は、さまざまな腐女子の心を鷲掴みにしたことでしょう・・・!つまり、チャイルドマン教室の生徒は全員問題児というオチで・・・、良くない?