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読書の記録です。

「我が庭に響け銃声」

秋田禎信/富士見書房

オーフェン一行、レティシャ、十三使徒、それぞれの目的を持って、最接近領を目指す。領主側では、ダミアン・ルーウが衛兵を使って待ち構えていた・・・。

気付けば、オーフェンの再読がストップしている!まずい!
さあ、この巻の最後からアザリーとレティシャの最強美女コンビが出てくるわけですが!レティシャ、いつの間にアザリーと接触してたんだろ・・・。当然のことながら、レティシャは死んでないのですが、オーフェンがそれを知るのはいつのことになるのかー。
「6人が死ぬ」という不吉な予言。十三使徒の3人とレティシャ、ロッテ、オーフェン?の予定だったのかな・・・。この辺ホラーじみた感じがします。領主側の手勢も死ぬし、十三使徒は全滅するしで、淡々と人が死んでいっているような。イールギットが死んだのが、すごく印象に残っていて、これだけは覚えていた。少ししか登場してないけど・・・。死ぬようには見えなかったんだよなあ。
蟲の剣って、結局どういう効果があったんだろう。
ロッテが意外に残ってますが、最後までいたっけな?コルゴンってどうなったっけな?レキは?
もう一度読み直しても、実は良くわかってないんだなー。


「神はいない」

「人は自立しない」

「だが絶望しない」


                      
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「医学のたまご」

海堂尊/理論社

東城大学に「天才少年」として中学生が医学研究室に入った。ところが彼は実はあんまり勉強の出来ない普通の中学生だった。そんな「普通の中学生」が最先端の研究をめぐる医学界の熾烈な争いに巻き込まれていく・・・。

昨日の高校生クイズはすごかった・・・。もはやあそこまで賢いと、自分とは違う生き物って本当にいるんだなあーと感心するばかり。本作の主人公、曽根崎薫くんは14歳・中学生。高校生クイズに出てくる天才たちのような頭脳を持っているどころか、学校の勉強でもあっぷあっぷ。そんな彼がどうして模試で1位の成績をとってしまったのか?答えは簡単。彼の父・ゲーム理論の第一人者、曽根崎慎一郎氏こそが問題の作成者であり、息子は試験的に問題を解いたことがあるのだ。・・・あかんやん、曽根崎父!犯罪じゃないっすか!
ズルして良い成績をとった薫を待っていたのは、望んでもない東城大学医学部での研究だった。父の助言とクラスメートを味方につけて、なんとか中学校と医学部との2重生活を切り抜ける。・・・というわけにはいかず、藤田教授が成果を急ぐあまり、ずさんな論文を発表してしまったことから、オトナの陰謀に巻き込まれてしまうのです。しかしながら、自業自得であることも確か。佐々木君が、そう薫に突っ込むところはなるほどと思いました。厳しいけれど、最後にはちゃんと薫を助けてあげてるし。良い男になりましたね、佐々木君。
各章では、薫の父の名言がずらり。中でも、「心に飼っているサソリを解き放て」は好きだなー。解き放ちたいぜ!あと、世界観のリンクも健在。メラノーマ関連の研究ということで、「ナイチンゲール」関係者が。あと、田口センセが教授になってましたね!しかも、ほんとに出てきただけ。笑。子供向けのせいか、仰々しいセリフが減って、大変読みやすかったです。これくらいがあっさりしてて丁度いいのかも?
桃倉さんが切な過ぎます・・・。苦い勝利・・・。
ここからは蛇足ですが、日本でも、飛び級を承認するべきか?ってちょっと考えてしまいました。個人の能力に合った環境を提供したほうが、その子の能力は伸びるし、ひいては日本の学力の発展につながるのかしら。でも、頭が良ければ、比例して精神も成熟しているかというと、そうでは無いと思うんですよね。社会にでたら、人間関係の方にウエイトがあるのは明白ですから。学問の分野によっては、例えば医学や法律なんかは倫理観が問われるものもある。経験することに、ムダなことってあんまり無いと思うんだ。だから、飛び級には賛成できないなあ~。という結論に落ち着きました。ま、あんまり関係ないと言えば関係ない世界ですけどねー。(遠い目)



「まほろ市の殺人」

/祥伝社

海沿いに位置する地方都市、真幌では季節が巡るごとに怪事件が起こる。息を呑む展開と周到に用意された驚くべきクライマックス。本格ミステリの実力派四人による渾身のシェアード・ワールド。

最初は1冊ずつ刊行されていたのを、まとめてみた感じ。こうなると、「最初からまとめて1冊で出せばいいのに!」って思ってしまうのだけど、これも話題づくりだったんですかねー。
「無節操な死人」(倉知淳)春!結局のところラブストーリーではないですか!倉知さんの作風は好きなのですが・・・。アドバルーンはちょっと無理があるっていうか、アレが街中を漂って、ベランダにひっかかったり、おしり撫でたりしたのかと想像するのは、あまり気分が良くない。
「夏に散る花」(我孫子武丸)夏!なんか、ラブ色が強いなあ・・・。とちょっと食傷気味に。一緒に待ち合わせの場所に現れた時点で、こいつは何かあるな、と思っていたのだけれど、最後の殺戮シーンにはびっくりしたぜ。そもそも、主人公にあんまり魅力を感じないので、何で2人ともこんな人を好きになったのかわかんない・・・。その謎は残ったまま。
「闇雲A子と憂鬱刑事」(麻耶雄高)秋!最近読んだ麻耶さんの短編は普通続きだったので、久しぶりに変なものが読めておもしろかった!助手が殺されたのは可哀相でした・・・。漢字をモチーフにした謎解きは納得。最後のオチもありがちと言えばそうなんですが、主人公がそれを承知済みというところに倒錯感が出ていると思う。つまり、主人公が変態なのが麻耶作品の特徴だと勝手に思っている私。
「蜃気楼に手を振る」(有栖川有栖)冬!何度も書いたことがあるかもしれませんが、私、ミステリーのトリックで双子ネタ使うのキライなんですー!結構双子ネタ多いですよね・・・。しかし、今回はすごい。三つ子と思わせておいて、実は・・・。という。なんだよ!ただ、生命の神秘の上に胡坐かいてるだけじゃん!顔が一緒じゃなきゃどうすんのさ?
こうやって感想を書いてみると、あんまり季節関係ないよね?



「別冊図書館戦争Ⅱ」

有川浩/アスキー・メディアワークス

大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。

とうとう、本編よりも先に完結編を読んでしまいました・・・。もうそろそろ本編が文庫化されてもいいと思うんだけどねえ。
なんといってもメインディッシュは柴崎と手塚の話でしょう!すでに3回キスした仲とは知りませんでしたが・・・。くそう、もてる男と女は違うなあ!・・・とうらやましい事だけではなく。目立つということは、大変なのだ。特に女はひどい。妬み僻み恨み。ライバルを応援できない腹黒さは、私にもわかる。しかし、女性という性につけこんで、傷つけるやり方はいかんなあ。同じ女として、脆いところがわかっているんだから、攻撃するのではなく、そこは避けないと。ところで、アイコラなんて、まだやる人いるのか・・・。そして、隠し持っていた隊員をぶっとばす郁に拍手した。ステキ!男前!男前といえば、手塚くんがカッコ良かった。やはり手塚はいい男だった!柴崎の事件がハードだっただけに、甘さはそこそこ抑えられていて、2人はお似合いだし。良かったな。
郁と堂上のノロケは置いておいて・・・。最初の緒方の話はなかなか良かったです。緒方副隊長がどのような人物が存じ上げていないのですが、実直な人柄がにじみでていましたー。「還暦過ぎたら籍でもいれるか」なんて粋なことを言ったのは、玄田隊長!?有川さんにオヤジを書かせたら、天下一品だな・・・。かっこ良すぎる!
普段は、この役にはまる俳優さんは・・・って考えないんですが。今回は途中で柴崎がどうしても柴崎コウになってしまって、じゃあ、手塚は誰だ?って考え出したら止まらなくなりました。手塚は小栗旬でー、郁は榮倉奈々!小牧は、年齢的に無理があるけど堺さん(笑)。ぜひ堺さん!最後の堂上が難しい!身長が低くて硬派・・・。最近の男優さんは、みなさん背が高くて甘いマスクをしてらっしゃいますからー。桐谷謙太とか、勝地涼とか?背がねえ、高いですよねえ・・・。
柴崎おめでとう!と思ったけど、やっぱり本編を読んでない分、感無量という感じにはならなかった。こんな時、順番どおりに読まなかったことが悔やまれるなあ。ケチるんじゃなかった!バカバカ!早く文庫化してよう!(八つ当たり)


「六月の夜と昼のあわいに」

恩田陸/朝日新聞出版

よび覚まされる記憶、あふれ出る感情、たち上がる論理。言葉によって喚起される、人間のいとなみ。

不思議短編集。絵画と歌・詩と小説のコラボレーション。
良くわからなかったんですが、雰囲気だけで楽しんだ感じ。もともと、恩田さんの作品は、雰囲気勝負ですからね!(褒め言葉)
ジャンルでわけてみよう。
ミステリ色が強くて、比較的わかりやすかったもの。「唐草模様」唐草模様・風呂敷・蔦・コスモス。タイミングの良い死は、殺人を連想させる。「Y字路の事件」SFに近いかもしれない。なんとなくほのぼのした読後感。「コンパートメントにて」たまに、自分の考えていることが、だだ漏れだったら困るなあ、どうしようと思うことがある。他人の考えていることがわからなくて良かった。
人間風刺?「窯変・田久保順子」あったかもしれない未来。けれど、失われたのならば、残念ながらそれは無意味なものである。「翳りゆく部屋」「あたしなんか」と言う人に限って、実はそんなに駄目だとは思っていない法則。「酒肆ローレライ」気持ちのいいお酒なら、溺れ死んでもかまわないじゃない?でも、命までとらないのは慈悲深いなあと思う。
不思議な世界。「夜を遡る」大きい魚はグロテスク。設定が色々ぶっとんでいて、置いていかれていましたが、かろうじて兄妹仲が良いということは理解できた。
随筆っぽい。「恋はみずいろ」「約束の地」「Interchange」・・・何もコメントすることはない!